ピヴォタルのポール・マリッツはエンタープライズ企業にとって現状維持は危険と指摘

ソフトウェアの世界は急速に変化しており、エンタープライズ企業にとって第一線に留まるための唯一の方法は自らが変化することだとピヴォタルCEOポール・マリッツは本日、カリフォルニア州ランチョ・ヴァルデスで開催されたコード・コンファレンスの壇上で述べた。
マリッツはマイクロソフトに14年間勤続し2000年に退社した。当時彼はCEOへの最有力候補となっていた。彼はその後ストレージおよびITの巨人であるEMCに落ち着いた。彼の勤めるPiコーポレーションが同社に買収されたためである。彼はEMCのクラウド部門であるヴイエムウェアの運営を担当し、2013年にはピヴォタルの経営者に任命された。
ピヴォタルはEMCの一部門で、主力分野は2つに分かれる。ソフトウェア開発と、ビッグ・データおよびアナリティクスである。同社の根幹を成す考え方としては、どんな企業であれ多かれ少なかれソフトウェア企業としての性格があり、社内特有のプロセスをソフトウェアによって改善および自動化しているという認識である。
「あなたの靴下からジェット・エンジンまで、どんなものでもその生産過程においてインターネットでやり取りされるという未来です」とマリッツはコードの壇上で語った。「企業はそれぞれ、その生産過程に携わる人々を効率よく動かし、結果の改善に役立てるという需要があります」
ピヴォタルはこのコンセプトをビッグ・データと結合するという段階を推し進める。ビッグ・データとは、大量のデータを発掘する作業によって経費削減や収益増加を達成するために事業者が取るべき方針を指す。ピヴォタルはこのデータを「データの湖」と呼ぶことを好む。
データは企業が機動的に発展していくために必要な道筋を示してくれます、とマリッツは述べる。「エンタープライズ業界全体は大変化の最中にあります」とマリッツは言う。「この大変化が起これば、これまでのような事業はやっていけません。旧式資産を守ることが仕事ではない、そういう社員を生み出していくしかありません」
マリッツは彼の部下を「コンサルタント」と呼ぶことを避けるが、ピヴォタルの仕事の定義を、文化およびテクノロジにおける企業内変化に効率をもたらすことだとしている。
「われわれの仕事はそういった企業へ出かけて行き、『あなたがたのためのソフトウェアを書きましょう。でもできればあなたと一緒にソフトウェアを書きたいのです』と持ちかけるのです」と彼は述べた。
ピヴォタルはホートンワークスとの協働を続けている。同社はオープンソースのビッグ・データ・ソフトウェア「ハドゥープ」を手がける企業で、ハドゥープの活用によってデータから秀逸な洞察を引き出すためのプロセスを簡略化できる。
この協働の要所としては、企業が運営している複雑なシステム(ジェット・エンジンでも工場でも石油プラットフォームでも)について深い見識を集め、それによって経費削減と事業成績の効率化を進めることが挙げられる。
たとえば模範的な例を挙げれば、(ピヴォタルの出資者でもある)GEがある。同社は開発中のジェット・エンジンについて効率性を計量するためのデータを集積している。昨年同社はピヴォタルの「データの湖」を活用し、航空25社の営業用飛行機1万5千台における燃料効率について解析を執行した。これは途方もないデータが関わってくるので、たいへんな仕事量だった。GEのエンジンに装備されたセンサーは通例の飛行あたり14ギガバイトものデータを生成する。
GEによると、これまで解析を執行するのに数か月かかっていたのが、数日で終えられるようになったという。また、ある航空会社は燃料消費を1パーセント削減することができた。これは合衆国内の航空業界が昨年消費した燃料費が460億ドルだったことを見れば、ずっしりと響く額である。続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Arik Hesseldahl and Eric Johnson.)