ジョニー・アイヴのチーフ・デザイン・オフィサー就任により2名のデザイナーが昇進

この数か月にわたってアップルは、これまで目立たないところにいた2名の社員を徐々に表舞台へと引き上げてきた。リチャード・ホワースとアラン・ダイである。このままいけば、2名が近いうちにアップルのデザイン総元締めといえるジョニー・アイヴから、日常業務の統括を引き渡されるのは自然な成り行きである。
7月からダイ氏はユーザ・インタフェース・デザイン、そしてホワース氏は工業デザインを主導する立場になる、とアップルは従業員向けの文書で週末に告知した。アイヴ氏は今後もデザイン全体を統括するが、チーフ・デザイン・オフィサーの肩書を得た彼はアップルの小売業務執行など幅広いプロジェクトに専念することが見込まれる。
「リチャード、アラン、ジョニーはこれまで同僚としてともに働き、長年の友人でもあります」とアップルの首席経営執行役員ティモシー・D・クックは社内文書で従業員に伝えた。ニューヨーク・タイムズがこの文書を入手した。「3名の代役のない優秀なデザイナーたちがアップルで新しい役職に就くことをともに祝いましょう」
アップルではデザインは企業理念の中核として重視されてきた。アップルを共同創業したスティーヴ・ジョブズはコンピュータ・テクノロジの難解さをわかりやすく、なおかつふつうの人に受け入れられるように変えた。デザインの強みはそのゴールを実現するうえで決定的となった。
デザインのリーダーとして指名された2名は、最近取材対応での登場機会が増えており、ホワース氏はアップルで20年にわたってアイフォーンなど多数のプロダクトに携わった工業デザイナーである。彼が直近で登場したのは2月に出版されたザ・ニューヨーカー誌のアイヴ氏の特集記事であった。この記事において、デザイン統括者であるアイヴ氏はホワース氏について「畏敬され」ており「ものごとを突き詰める」ことに集中する人だと評している。
ダイ氏はユーザ・インタフェースのデザインを統括する幹部として表舞台への登場が増えており、先月はワイアード誌の記事で、アップル・ウォッチの発明に携わったと紹介された。ダイ氏はケート・スペードでデザイン・ディレクターを務めたのちアップルに2006年移籍し、マーケティング部門のためプロダクト化粧箱のデザインを担当した。その後ヒューマン・インタフェース・グループの指揮を執った。アップル・ウォッチや、アップルのモバイル・オペレーティング・システムであるiOSではとりわけ重要な役割を担った。
ではアイヴ氏のきらめく新しい役職はどうなるのか? チーフ・デザイン・オフィサーはジョブズ氏について「スピリチュアル・パートナー」と評したことがある。その彼はデザイン全体を統括する一方で、世界各地のアップル小売店を多数訪問するといったプロジェクトに重きを置くと彼はテレグラフ紙に語った。同紙はアイヴ氏の昇進を最初に報じていた。続きを読む
(From the NYTimes.com blog post. Thanks to Brian X Chen.)