インスタカートが嘱託職員の一部を非常勤職員に採用へ

インスタカートは、日用品当日配達スタートアップだが、嘱託職員の一部を非常勤職員に採用する方針を表明した。規制当局がオンデマンド型サーヴィス企業の労働力にかんして調査を強化する見通しとなったためである。
今回の方針によると日用品店舗で待機して注文を受けると出荷作業に取りかかる作業員に限って適用される。店舗と車両の両方を掛け持つ社員はその対象外となる、と同社は述べている。
インスタカートは現在20億ドルの評価額となっており、日用品店舗のホールフーズをはじめとした企業と提携し、顧客から注文が入ると1時間以内で配達をする出荷作業員を雇用している。
同様のオンデマンド型サーヴィスの作業員を雇用する企業では、たとえばユーバやポストメーツの場合正社員としての待遇がなく、代議士や規制当局からの懸念が示されていた。同社の事業やヴェンチャー・キャピタリストからの多額の資金の土台となっているのが、健康保険や燃料費といったコストを省くことができるという事情だった。
カリフォルニア州労働理事会では今月、ユーバが労働者の一部を正社員として待遇すべきと決議し、タクシー・サーヴィスを手がける同社に社員並みの給料として受け取るべきだった金額を補償するよう命じた。ヴァージニア州選出上院議員であるマーク・ワーナーはオンデマンド型エコノミーについて、労働者の福利厚生に不備があるとの懸念を提起していた。
インスタカートは同社との契約にもとづいて店舗内で働く嘱託職員が7000名ほどいると表明した。非常勤職員への雇用プログラムは当初ボストンとシカゴのみを対象とする。ボストンでは訴訟の結果を受けた実施であり、シカゴでは判決を待っての実施となる。
このプログラムは、それでも幾つか制約が残される。健康保険の加入はできず、常勤職員とはならない。また、インスタカートは非常勤職員の待遇をドライヴァーには適用しないため、自動車保険、償却費、燃料費といったコストは負担しない。
インスタカートのスポークスウーマンは非常勤職員の給与については詳細を明かさなかった。同社は現在作業員の給与を出荷実績、労働時間といった基準から算出している。
インスタカート創業者でCEOのアプールヴァ・メータは、非常勤職員について嘱託職員よりも上の立場であると声明文で述べている。おそらく、会社とのより厳格な雇用関係があるためとみられる。続きを読む
(From the Digits blog post. Thanks to Greg Bensinger.)