ビッグ・データ・スタートアップのスノーフレークが45百万ドルを資金調達し初代プロダクト開設

スノーフレークはビッグ・データを手がけるスタートアップで、マイクロソフト幹部を長らく務めたボブ・マグリアが同社を率いる。同社はアルティメータ・キャピタルなどから45百万ドルの資金調達ラウンドを実施し、クラウドに保管されているデータを解析するプロダクトを一般公開した。
今回の資金調達によってスノーフレークの累計調達額は71百万ドルに達した。前回ラウンドで参画したレッドポイント・ヴェンチャーズ、サッター・ヒル、ウィングVCはいずれも今回のラウンドに参画している。
マグリアはマイクロソフトに23年勤続し、なかでもサーバおよびツールズ・グループのプレジデントを務めた功績がある。彼が退社した時点で同グループには年間170億ドルの売上高があった。彼は昨年スノーフレークに加入し、その後同社は注目を集めはじめた。
スノーフレークの狙いは企業が多種多様なデータから有益な事業見通しを立てられるよう、データ・ストレージや解析サーヴィスを提供することである。サーヴィスはすべてクラウド提供となる。プロダクトの名前はスノーフレーク・エラスティック・データ・ウェアハウス。マグリアによると、クラウドでデータの出し入れができる他社サーヴィスとは一味違っているという。クラウド・アプリケーションやソフトウェア・アズ・ア・サーヴィスを基礎として提供される。
スノーフレークはデータベース言語としては揺るがぬ共通語となっているSQLを採用し、マシーンが生成したデータを管理整列することができる。顧客企業は好きなだけデータを流し込み、必要とされる人員分の作業用口座を設け、使った分だけの料金を払う。対応するデータの種類は豊富で、構造化済のデータ(行と列の配置がすでに整形されたもの)や構造化前のデータ(行列が未整形で作業に手間のかかるもの)の両方を扱うことができる。
「わが社では、データの整列作業を行なった経験をもつ人員のスキルを生かすことが大事であり、両方の種類のデータにおいてSQLを採用することにつながりました」とマグリアは言う。
通例、企業が解析を行なうデータは、オンラインでの購入履歴において決定的な動機づけが発生する瞬間が見つかる。数百万件にものぼる購入履歴データが1箇所に収められると、そこから購入に至る時間軸が浮かび上がってくる。有益な情報だ。たとえば、オンライン・ゲーム企業の「ダブル・ダウン」では、ほんの些細な変更を実施したことで、プレイ時間が長くなったり短くなったりすることが解析で判明した。「これまでは絶え間なく流れてくる情報を大量に追跡する必要がありました。以前同社が利用していたツールでは、複雑かつ難解で常時追跡し正常動作を継続することが不可能だったのです」とマグリアは述べる。
ほかの顧客企業としては、「ディールベース」というホテル予約サイト、「ザ・オーチャード」というメディア配信サーヴィス(ソニー傘下)などが挙げられる。現在スノーフレークには80社の顧客が契約しており、20社が試験運用期間から本格運用に移行を決めたとマグリアは言う。続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Arik Hesseldahl.)