グルーポンのアップル・ウォッチ・アプリで近所の割引販売アラート通知、腕時計から購入手続きが可能に

グルーポンのiOS向け割引販売アプリケーションは本日、アップル・ウォッチのサポートを開始した。ウォッチ向けアプリの大半と同じく、グルーポンはユーザの位置情報をアイフォーンとの連携機能によって入手し、いまいる場所の近くで割引販売があればアラート通知を送る。グルーポンがこれまでモバイル・アプリケーションで行なってきた、ホームスクリーンで大都市ごとの割引販売を表示する方式とは異なり、今回のウォッチ向けアプリではもっと狭い範囲に限定した情報に特化しており、いまあなたがいる場所から何マイルの距離にその店があるかで配信順位を決める。
そして、気に入ったものが見つかれば、グルーポン・ウォッチ・アプリから直接購入ができる。
このウォッチ・アプリはしっかりと作りこまれている。画面の表示スペースは限られているなかで、多様な割引販売について、役立つ情報を提供できるようになっている。メイン画面では、写真、店の名前、あなたの場所からの距離、通常価格、割引価格が表示される。指でなぞることによって、あるいはウォッチのつまみを回すことでスクロールして順番に閲覧できる設計だ。
もし詳細を知りたい割引販売が見つかれば、タップして内容を確かめることができる(たとえばヨガ教室が73パーセント引き)。価格や場所を示す地図も表示できる。購入しようと決めたら、緑色の「購入」ボタンをタップするだけで会計が済む。これにはあらかじめ、アイフォーンのグルーポン・アプリでクレジットまたはデビットカードの登録が必要となる。
アップル・ウォッチがコマース・プラットフォームとしても成功するか見極めようとする加盟店は数多いが、腕時計で買い物の決断をするというのはこれまでは思いつかなかったようなことだ。グルーポンはそこで、アップル・ウォッチがいちばん役立つのはちょうどいいときに情報を持ってきてくれることだと判断した。たとえば、いま来ている店で少しでも安く買い物したいというとき。
ユーザに過剰な通知を送るという失敗を防止するため、グルーポンは厳選した属性を満たすユーザにのみ、割引販売を知らせるという方式を採る。また、アップル・ウォッチの形状に適したものだけを整列して提供する。そこには何が便利で、何が過剰かというバランスを見出し、制御することが求められるが、方法の確立はこれからだ。アプリはまだ本日開設されたばかりで、検証作業を進めることが必要だろう。
グルーポン・ウォッチ・アプリはまだ完全版ではないということもつけ加えておきたい。同社は利用環境を整えるまで、主力機能の開発をしばらくつづける予定で、たとえばユーザがこれまで節約した金額、まだ使っていない割引券といった情報を見る「グランス」機能のサポートもこれからとなる。
また、これからとなる機能としては、割引券の有効期限を知らせるアラート通知、さらにはユーザがウォッチ・アプリだけで割引券を使えるように呼び出せる機能も準備中だ。こうしてアップル・ウォッチ版グルーポンはより使いやすくなるとみられる。いまのところ割引券をすぐに使いたい場合、購入手続き後にアイフォーンを取り出すことが必要とされる。
グルーポンはこれまでモバイルでの存在感を強めており、世界各地で1億5百万回のダウンロードを記録している。同社はこれまでに8億件以上の割引販売実績があり、このうち54百万件は2015年第1四半期の実績である。アップル・ウォッチはいまのところ、普及がかぎられた数にとどまっており、アーリーアダプターと呼ばれる人がその大半を占める。その一方、ウエラブル機器の市場は拡大を続けており、今回のアプリが登場したことによって、どの程度グルーポンがコンシューマに影響を与え、地元の商店で割引販売を利用するか今後に注目だろう。続きを読む
(From the TechCrunch blog post. Thanks to Sarah Perez.)