グーグルがひっそりとギットハブ対抗のためクラウド・ソース・リポジトリーズを開設

グーグルはまだ正式に発表していないが、今年同社はクラウド・ソース・リポジトリーズへの無料アクセスを提供しはじめた。これはグーグル・クラウド・プラットフォームの規模拡大に合わせた、コード保管および編集のためのサーヴィスである。
グーグルにとってソース・コード・リポジトリホスティングで先行するギットハブやアトラシアン(とビットバケット)を追い上げ、追い越すのはそうたやすいことではない。グーグルはそのため、この新しいサーヴィスについては、慎重なアプローチを採ることとし、いわばインターネットのどこか、あるいは私用コンピュータのなかにあるギット・リポジトリの退避場所といった位置づけを図っている。
それでも、このツールは時間が経つにつれ、グーグルをアプリケーション構築および展開をめざす人たちの集合地点に変える可能性がある。それはグーグルにとってパブリック・クラウド・マーケットで先行するアマゾン・ウェブ・サーヴィシズを追い上げるうえで大事なことだ。アマゾンは同様のギット・リポジトリ・サーヴィス「コードコミット」を11月に開催された「リ:インヴェント」コンファレンスで発表した。マイクロソフトもアズール・クラウドの成長によって、この分野の担い手となっている。同社によるヴィジュアル・ストゥーディオ・オンライン・サーヴィスでは利用制限なしのリポジトリが提供されている。
今年、グーグルはオープンソース・プロジェクト用ホスティング・サイト「グーグル・コード」を打ち切ると発表し、ギットハブとビットバケットに道を譲った。しかし、これは必ずしもグーグルが新設したグーグル・クラウド・ソース・リポジトリーズにあまり期待していないという意味ではない。今月、グーグル・クラウド・プラットフォームのウェブサイトに前触れもなく登場したばかりだ。
わたしはグーグルに詳細を問い合わせてみた。グーグル・クラウド・プラットフォームのプロダクト・マネージャを務めるクリス・セルズから来た返答では次のように述べられている。

グーグル・クラウド・ソース・リポジトリーズはクラウド・ツールの全面的提供の主要な部分をなしています。あなたのクラウド・プロジェクトで使われているコードを一括して多様なリソースと並行管理できるため、グーグル・クラウド・プラットフォームでほとんどすべてがこと足りる、ワンストップの場所となるのです。クラウド・ソース・リポジトリーズ・サーヴィスでは非公開のギット・リポジトリを割り当て、あなたがこれまで使用してきたツールとの連携にも使えますし、大事なコードが安全かつ確実に管理される、退避場所としての使い道もあります。これは、グーグルのクラウド・インフラストラクチャでは一貫してお届けしている価値です。
さらに、わが社ではクラウド・ソース・リポジトリーズを土台としてべつのサーヴィスも構築しております。たとえばグーグル・クラウド・デバッガーを使うと、あなたの開発した案件のなかでJavaコードが正常に機能しているか検証作業を行なえ、たとえ運用中でもサーヴィス停止をする必要はありません。問題があればあなたに割り当てられたクラウド・ソース・リポジトリーズに保管されたソースへと反映させることが可能です。また、グーグル・クラウド・プラットフォームでは全体に一貫してAPIの提供を行なっており、クラウド・ソース・リポジトリーズでも今年中のベータ版リリースを予定しております。その後は完全に自動化されたリポジトリ管理ができ、あなた自身のツールを開発することができます。
現在はベータ版となりますが、グーグル・クラウド・ソース・リポジトリーズの今後の改善、正式版のリリースにどうぞご期待ください。

ということは、グーグルはあと数か月もすればこのサーヴィスについて公式に発表する予定で、いずれは課金開始となるようである。
ただし、ギットハブのような有力サーヴィスの土台を揺るがすほどには至らないだろう。世界各地のディヴェロッパは毎日ギットハブのウェブサイトに行ってプロジェクトの共同作業を進めている。それに、ギットハブは近々高額の資金調達ラウンドを実施する見通しだと報じられている。アトラシアンについていえば、黒字化を達成しており、今年中にも上場を狙う位置に来ている。続きを読む
(From the VentureBeat blog post. Thanks to Jordan Novet.)