スポティファイがビートポートと独占的な楽曲および選りすぐりプレイリスト供与で提携

スポティファイはこれまで、アーティストの楽曲やアルバムを自社プラットフォームで提供できるよう、新発の競合に負けじと精力的に取り組んできた。本日、同社はストリーミング・サーヴィスのビートポートとの提携を発表した。これによってビートポートの音楽リリースに合わせてスポティファイはアクセス権を保持し、選りすぐりのプレイリスト、さらに電子音楽祭「SFX」などイヴェントからオーディオおよびビデオの提供を受ける。
ビートポートは電子音楽ストリーミング・サーヴィスで、ライヴ・イヴェントの主催や選りすぐりのプレイリストの提供を手がける。スポティファイは選曲の独自さでは強みを十分に生かし切れずにおり、プレイリストにはまだ手を加えていく必要がある。ビートポートはスポティファイのプラットフォームに人間の要素をつけ加える役目を負い、アルゴリズム主体で成り立っているサーヴィスへの調味料となるとみられる。
スポティファイは並み居る競合からの集中的な圧力にさらされており、アップル・ミュージックやティダルといった新勢力が登場している。この2年にわたってアーティストの多くがスポティファイから楽曲を引き揚げ、ティダルやアップルへと移っていった。定額制ストリーミング・サーヴィスを提供する両社はスポティファイでは見つからない独占的な楽曲の提供によって、テイラー・スウィフトトム・ヨークジェーソン・アルディーンといった有名アーティストの支持を得てきたほか、ビヨンセやニッキ・ミナージュといったアーティストのミュージック・ビデオも取り扱う。アップル・ミュージックでは選りすぐったプレイリストの提供に加え、DJゼーン・ロウエの運営するラジオ生放送ステーションも強みとなっている。
2004年に設立したビートポートは、今年になってようやく電子音楽ストリーミング・サーヴィスに参入した。開設以来同社は会員登録数が500万に達した。同社は4万3千を超える音楽レーベルへのアクセスをもとに、約2万5千曲のペースで楽曲をプラットフォームに毎週追加している。同社は1億81百万ドルのライセンス使用料を9年間で支払ってきたが、ビートポートはそれでも(スポティファイがそうであるように)批判の対象となっている。
スポティファイがビートポートのコンテントを同社プラットフォームで展開することになるかは不明瞭だが、ひとつ明確になっていることがある。スポティファイはアップルなどの流行発信地に移っていったアーティストの穴を埋めるために独占的なコンテントを提供する必要に迫られていることだ。続きを読む
(From the VentureBeat blog post. Thanks to Ruth Reader.)