ドラフトキングズが3億ドルを資金調達;その大半をフォックス・スポーツへの広告費に投入

スポーツファンにお知らせだ。ドラフトキングズはこれから数年間、広告をたくさん出してくるので備えておこう。
ドラフトキングズはファンタジー・スポーツ企業の筆頭に挙げられるが、今回21世紀フォックス傘下のフォックス・スポーツ部門を主幹事とする3億ドルの資金調達ラウンドを実施した。今回の取引はドラフトキングズにとって、2億5千万ドルほどをTV企業である同社との契約で広告費に投入するということでもある。今回の合意について内情を知る複数の人物が明かした。
この情報源によると、今回の調達によってドラフトキングズは12億ドルを超える評価額となった。2週間前には競合のファンデューエルが2億75百万ドルを資金調達していた。
フォックスにとって、今回の合意は悪くない取引で、これまで同社は1億5千万ドル近くをドラフトキングズに投資してきた。フォックスはドラフトキングズの株式の11パーセントほどを握ることになり、加えて2億5千万ドルの広告収入も入ってくる。ドラフトキングズCEOのジェーソン・ロビンズとフォックス・スポーツのプレジデント兼COOエリック・シャンクスは今回の取引にともなう広告費投入について公式に認めているが、詳細についてはコメントしないと述べた。
業界の事情を知る人の中には、今回のような高額のパートナーシップは持続性が低いとの指摘もある。しかしロビンズによると、マーケティングには大金を投じても不安はないという。「弊社には目標に向けて投じることのできる資金が十分あります」と彼は言う。すなわち、今年中の英国への進出、ロンドンでの事務所開設、さらにプロダクトと雇用の拡充である。
ロビンズによると、最後のゴールはドラフトキングズをはじめとするファンタジー・スポーツが長く持続し、リアルのスポーツを観戦する人たちに自然と受け入れられるようになることだという。「わたしたちの長期的な展望は、ドラフトキングズとスポーツがほぼ一体として受け入れられることです」と彼は述べた。
そこがフォックスの投資する理由でもある。より多くの人がファンタジー・スポーツに参加するようになると、より多くの人がTVでスポーツを見るようになる、とシャンクスは説明する。ロビンズはこの仮説を支持している。彼はドラフトキングズのユーザの80パーセントがファンタジー・スポーツがきっかけでスポーツの観戦や記事購読時間が増えたと指摘する。
今回の合意はドラフトキングズが先月ディズニーの運営するESPNブランドと協議していた内容に似ており、ディズニーは2億5千万ドルを投資する代わりにドラフトキングズは5億ドルを広告費として投じるというものだった。
この商談は物別れに終わったが、成約直前でディズニー上級幹部がファミリー層に重点化する同社ブランドと、ファンタジー・スポーツという賭け事に近いウェブサイトの提携に難色を示したためである。両社は結局、再度の協議を経てESPNとの2億5千万ドルの独占広告契約で決着した。(なお、フォックスとの合意は独占契約ではなく、他社のファンタジー・スポーツ・サイトであるファンデューエルなどもフォックス・スポーツに広告を掲載する可能性がある)
これらの契約は、ドラフトキングズが3億ドルという大金を調達する理由を示しているといえる。両方を合わせると、同社は今後3年間で5億ドルを広告費としてメディア大手2社に投じることになる。月曜日以前では、ドラフトキングズは累計75百万ドルを調達し、昨年の売上高は3千万ドルだった。言い換えると、同社は今回の資金調達がなければこれらの費用をまかなうことは不可能だったわけだ。
ロビンズによると、今回の資金調達における最優先課題は新規顧客の開拓だという。ドラフトキングズは競合のファンデューエルとの競争が激化しており、ファンタジー・スポーツの一番手になろうとしてきた。両社ともスポーツ・チームとの独占的な協賛関係を得るために数百万ドルを投じており、スポーツファンの頭に残るブランドにならんとしている(さらには他社ブランドを締め出そうとしている)。さらにはヤフーも参入してきている。
「より多くの人が参加すると、より多くの人がTVで弊社プロダクトを消費するようになります」とシャンクスはリコード誌の取材に応えて述べた。加えて彼はフォックスがファンタジー・スポーツに特化したコンテントを制作する可能性も将来的にはあると述べた。
今回の資金調達は同社のほかにアトラス・ヴェンチャーズ、レイン・グループといったヴェンチャー・キャピタル、さらにプロ・スポーツ・リーグのメジャーリーグ・ベースボール、ナショナル・ホッケー・リーグ、メジャーリーグ・サッカーも投資家として参画している。また、スポーツチーム親会社のクラフト・グループ(ニューイングランド・パトリオッツ)なども参画している。続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Kurt Wagner.)