グーグルが2億ドル以上を投じオレゴンで4番目のデータ・センターを建設へ

グーグルはオレゴン州ダルズのコロンビア川沿いに4番目のデータ・センターを建設する見通しとなった。テクノロジの巨人である同社は昨日、データ・センター拡張計画に伴う15年間税制優遇の申請書を提出した。
同地政府当局はこれを受け、来週に採決を行なうとダルズ市のマネージャを務めるノーラン・ヤングがヴェンチャービートの取材に応じイーメールで回答した。申請書の計画によるとプロジェクト費用の下限は2億ドルだったとヤングは述べている。グーグルは総費用がこれを上回ることを見込んでおり、データ・センターでの保守要員として50名以上は必要であると申請書の概要に述べられているという。
ダルズはグーグルにとって、はじめて自社インフラストラクチャを維持するため建設したデータ・センターの立地である。この施設を拡張するのはこれで3回目になる。グーグルはアイオワアトランタ周辺をはじめ世界各地でのデータ・センター施設建設を進めている。
「最終判断を下す前に、数多くの要因を乗り越える必要がありましたが、こうして運営の拡張に向けた道筋が整ったことをたいへん喜ばしく存じます」とグーグルの西部地区で渉外統括を務めるダーシー・ナスナーグルはヴェンチャービートの取材に応じてイーメールで回答した。
フェースブック、イントゥーイットをはじめとするコンシューマ主体のウェブ・サーヴィス各社はデータ・センター・インフラストラクチャを自前で運営している。グーグルはデータ・センター内で自社製のコンピューティング、ストレージおよびネットワーク・ハードウェアを主に使っている。また、このように自前で施設運営できることがグーグルの強みである。グーグルはその内部構造について秘密を守ることができるからだ。2006年にニューヨーク・タイムズはダルズにデータ・センターが存在することを報じている。
「わが社が進めていることを競合に知られずにいることは、ひじょうに大事なことでした」とグーグルのテクニカル・インフラストラクチャ担当シニア・ヴァイス・プレジデントのアース・ホルスルは先日同社が本社で行なった記者会見で述べている。
グーグルはインフラストラクチャ構造の階層へ大きな権限を保持しており、同社は高度に合理化された運営が可能となり、グーグルがパブリック・クラウド市場において値下げを段階的に進めることに寄与した。同社はこれまでに驚くほど高水準のサーバ稠密性を実現している。「80パーセントないし90パーセントのクラスター化で運営しております」とホルスルは前述の記者会見で明かしている。2006年から2012年にかけて、サーバ稠密性は12パーセントから18パーセントの推移となっていたが、2014年にナショナル・リソーセズ・デフェンス・カウンシルの公表した調査報告によれば、ハイパースケール・クラウド業者(ちなみにグーグルもこの種別に入るだろう)では40パーセントないし70パーセントを達成しているという。
グーグルがますます高度に合理化されたサーバを開発するようになると、同社はアマゾン・ウェブ・サーヴィシズをはじめとするパブリック・クラウドを供給する他社にも十分渡り合える実力がつく。今回のような拡張はコンシューマの多くにとってはさほど大きなことに感じられないだろうが、長期的にはその恩恵を多大に受けることになる。
グーグルはダルズの拡張に投じられる総費用については詳細を明かしていないが、すでに同地では12億ドルを投じている。続きを読む
(From the VentureBeat blog post. Thanks to Jordan Novet.)