サムスン・ペイが9月28日に合衆国内で開設:店舗が取り扱いを受諾するかが課題

サムスンは今日、モバイル・ウォレットを来月に新規開設することを発表した。だがこれまで試したこともないような決済方法を、店舗はどのように取り扱うのかという疑問はやはり拭えない。
タップトゥペイ(タップして支払う)方式で、合衆国内では9月28日に開設され、ギャラクシーS6エッジとギャラクシー・ノート5では、ヴェライゾンを除くすべての大手キャリアでこの機能を標準搭載する予定だ。ヴェライゾンはサムスンと条件の交渉中である。ギャラクシーS6とS6エッジをすでに保有している人はソフトウェア・アップデートをすることでサムスン・ペイを利用できるようになる。
今回の発表の数週前、サムスン幹部は「アップル・ペイ」やグーグルの計画する「アンドロイド・ペイ」を上回る店舗数で利用できるようになると豪語した。これは旧式の会計システムと新式のシステムの両方で動作可能なテクノロジを同社が採用しているからだという。
アップル・ペイとアンドロイド・ペイは決済処理を店舗の会計システムに送信するためにNFCとよばれるテクノロジを採用する。サムスン・ペイはNFCのほかに、クレジットカードの磁気読み取りに似た手法で無線テクノロジを採用する。これはすなわち、NFCに対応していない旧式の会計機器でもサムスン・ペイを導入できるということだ。ユーザは支払いに使いたいカードをスワイプして、ホームボタンに指をかざして指紋読み取りを行なうか、パスワードを入力する。そして決済ターミナルの上に機器をタップする。
このテクノロジを公安したジョージ・ウォルナーがリコード誌の取材に応じて語った話では、この8か月間彼はクレジットカードやデビットカードを使わず、かわりにサムスン・ペイで5000回もの決済を行なったという。
サムスン・ペイ担当幹部のウィル・グレイリンはインタヴューでこの方式が「圧倒的多数」の決済ターミナルで動作すると述べている。合衆国内でのサムスン・ペイが動作する店舗の割合については公表を差し控えた。家電大手の同社は今年、ウォルナーとグレイリンが共同創業したスタートアップ「ループペイ」を概算2億5千万ドルで買収した。
サムスン・ペイが、ほんとうにクレジットカードのスワイプが可能ならほとんどの店舗で動作するのかという問題が成否を分けるのではないか。もうひとつの問題は、同社が店舗のオーナーに働きかけて、来客がNFCに対応していない店舗の旧式の会計システムに自分の携帯電話をかざして安全な決済が行なうことが可能だと確信させることにかかっている。懸念としては、一部の店舗オーナーがモバイル決済の取り扱いを受け入れず、決済処理を拒否するという可能性もある。
グレイリンによるとサムスンは銀行との連携によってサムスン・ペイで利用可能なデビットカードの店舗導入を売り込んでいくという。だがグレイリンのほか数名の幹部の話によると、サムスンは店舗オーナーの気持ちを変える可能性があるのは客の要請が高まることにかかっているという。
「オーナーはたいてい、はじめは抵抗を示すと思われます」とサムスン・ペイのコーポレート・ジェネラル・マネージャであるトマス・コウはプレス向けイヴェントで韓国で行なったベータ試験運用について語った。「しかし、2回目になれば問題は消えていきます。客が利用を望むことこそ、いちばんの効果を生み出すのです」
サムスン・ペイはこれから時間をかけて、客がいちばん正しいのかどうか、その答えを確かめていくことになる。続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Jason Del Rey.)