イーベイがスナップディールの保有株式を一部売却

イーベイはインドのイーコマース・マーケットプレースであるスナップディールの株式を一部売却した。これによってアメリカ企業である同社は持ち高の調整を行なうとともに、イーベイ自身の運営するインド国内向けショッピング・サイトへ再投資することを狙う。同社が火曜日に発表した。
一部株式の売却によってイーベイはスナップディールへ投資した資金を株式の額面通り受け取ることになるが、残存する株式については今後の価値上昇の可能性がある、と同案件に詳しい人物が明かしている。取引の詳しい金額は明かされなかった。
イーベイはこれまで数回にわたってスナップディールの資金調達ラウンドに参画しており、2014年には主幹事として1億3370万ドルのラウンドを実施した。当時、イーベイのデヴィン・ウェニグはリコードの取材に応じてイーベイがスナップディールを会社ごと買い取る可能性もあると述べていた。
しかしその後、インドのイーコマースを取り巻く投資熱は数倍にも膨らんだ。スナップディールの評価額は50億ドルにも達すると報じられている。その結果、イーベイ幹部は会社ごと買収するのはその趣旨からすると値段がかさみすぎると判断した。保有株式の一部を売却することによって資金を回収することが可能になる。同社幹部は残存する株式については「ハウスマネー」と捉えているという。
この株式が先日スナップディールの発表したアリババ、フォックスコンソフトバンクからの5億ドル資金調達ラウンドにおいて売却されたのか、あるいは別件の取引だったのかは不明だ。
スナップディールは2010年に設立され、幾つかの段階を経て、一時期はグルーポンを模倣したこともあった。現在の同社はオンライン・ショッピング・マーケットプレースとして、一般的な販売手法で多種多様の商品を取り扱っており、インド国内の競合であるフリップカートと対抗している。フリップカートはインド生まれの同業で、150億ドル近い評価額となっている。また、アマゾンもインドでサイト運営を手がけている。これら3社は顧客獲得のために多額の費用を投じており、なかでも徹底的な値引き競争は差別化を図るうえでの筆頭に挙げられる。
スナップディールは近頃、企業買収によってサイトのエコシステムを形成する手法へと踏み出しており、たとえばプリペイド携帯決済サイト「フリーチャージ」やクレジットカードおよびローン向け比較ショッピング・サイト「ルピーパワー」などを買収した。この戦略は中国におけるアリババの台頭に強く影響されたもので、同社はコマースの各種形態を混在させることでマーケットプレース群を運営する手法を採っている。続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Jason Del Rey.)