ペイパルのシニア・ヴァイス・プレジデントを務めたヒル・ファーガソンが退社

ペイパルは今年になってから進めてきた大幅なリストラクチャで路線の修正をつづけている。今回コンシューマ事業でプロダクトおよびエンジニアリングを統括する幹部が退社することとなった。
ヒルファーガソンはペイパルのコンシューマ事業のシニア・ヴァイス・プレジデントを務めてきたが、すでに退任したことを彼自身が今日フェースブックの投稿で明かした。ビル・リーディはファーガソンと対になる役職で、ペイパルのエコシステムにおけるマーチャント側を統括してきたが、今後責任範囲を拡げ、同社のプロダクトおよびエンジニアリングをまとめて統括することになる。同社スポークスマンが声明文で明かした。
リーディへの権限集中はペイパルCEOダン・シュルマンが今年になってから進めてきた、当時親会社だったイーベイから分社化する過程で生まれた方策の転換を示すものだ。当初彼はプロダクトとエンジニアリングの責任者をファーガソンとリーディに分担させた。ファーガソンはそれまで同社のチーフ・プロダクト・オフィサー、リーディはCEOとして運営していた企業「ブレイントゥリー」をペイパルが8億ドルで買収したことによって同社に加入した。この人事では、プロダクトおよびエンジニアリングの部署がコンシューマとマーチャントに分割されたリストラクチャはそのままに、両方の部門はリーディの配下に収まることになる。
「弊社では彼(ファーガソン)のもらたしてくれた強い専門知識と集中的な仕事により、すぐれたプロダクトを構築し、チームの全員がつねにコンシューマを第一に取り組んでいく環境を形成できたことを感謝しています」と声明文は述べている。「ヒルはペイパルが決済にとどまることのない可能性を実現していくうえで大事な土台を固めてくれました」
フェースブックへの投稿のなかでファーガソンはこう述べている。「ペイパルは疑いなく4年前よりずっとよい形になっています。そこに務めているみんな、名前を挙げきれないくらいのみんなのおかげです。わたしはこれからもその勢いが続いていくことを心待ちにしています。私事ですが、サッカー、フットボールのコーチとして自分にとっての山登りに挑んでいきます」
彼はコメント要請に対し、即時には応答していない。
ファーガソンは2011年、自身が幹部を務めるモバイル決済企業「ゾング」が買収されたことによって、ペイパルに加入した。ゾングの創業者デーヴィッド・マーカスはペイパルのプレジデントに就任し、その後ファーガソンはチーフ・プロダクト・オフィサーへと昇進した。2014年にマーカスはフェースブックメッセンジャー・サーヴィスの運営のため同社を退社している。マーカスはファーガソンの投稿に対し、フェースブックに次のようにコメントしている。「事業の転換がいかにたいへんな仕事か真に理解できる人はほとんどいません。それは君の尽力なしには実現できなかったことでしょう。がんばって!」続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Jason Del Rey.)