ヴェライゾン傘下のAOLがモバイル広告テクノロジ企業のミレニアル・メディアを2億38百万ドルで買収

合衆国の通信大手ヴェライゾンから買収されて3か月が経ち、AOLはモバイル広告テクノロジ企業のミレニアル・メディアを買収したことを発表した。
この成約によってAOLはミレニアル・メディアの一般株あたり1.75ドル相当を支払う。これによって2億38百万ドル程度の取引となる。なお、ミレニアル・メディアの現金と負債がこの金額に算入されている。
2006年にボルティモアで創業されたミレニアル・メディアはかつて10億ドル企業との呼び声もあったが、2012年に上場して以来モバイル広告市場においてはフェースブックなど大手が席巻しており、同社の成長は難航していた。
AOLはインターネット業界ではもっとも旧い名前のひとつであり、ウェブ初期のイニシアティヴとしてイーメールやインスタント・メッセージングの代名詞ともされた。2001年にはタイム・ワーナーと合併したが2009年に同社から分離独立し、デジタル・メディアへの特化により新たな方向をめざしてきた。
同社はメディアでの有名ブランドであるハフィントン・ポスト、テッククランチ、エンガジェットを擁するほか、独自の動画コンテントやプログラマティック広告テクノロジに重点投資してきた。また、これがヴェライゾンが6月に同社を買収するのに44億ドルを費やした理由でもある。ヴェライゾンは広告の自動化された売買手段を手に入れることになった。また、ミレニアル・メディアが加わることによってモバイル広告市場への浸透はさらに進むものとみられる。
イーマーケターが公表したデータによると、2016年までに合衆国内でモバイル広告に投じられる費用のうち3分の2はプログラマティック広告になり、総額200億ドルに達する見通しだという。
ミレニアル・メディアの買収はとりわけ、広告主のあいだでモバイルの重要性が急速に高まっていることの兆候であり、AOLがモバイル広告製品群の充実を「主要な国外市場」である英国、日本、シンガポール、フランス、ドイツへと進めるきっかけとなりうる。
AOLアドバタイジングは、サードパーティによるAOLデジタル広告ツールへのアクセスを提供し、ミレニアル・メディアの力を得たことで同社は「ワン・プラットフォーム」が今後「オープンかつモバイルファーストのプログラマティック・プラットフォームの最大手」になると表明している。
ミレニアル・メディアは今年中に予定される取引の決済によって、AOLの完全子会社となる。続きを読む
(From the VentureBeat blog post. Thanks to Paul Sawers.)