インドのスナップディールがアマゾン、フリップカートとの対抗のため「即時返金」を開始

インド国内で育ったイーコマースの巨人であるスナップディールは先月5億ドルを資金調達し、評価額が50億ドルに達したが、金曜日に同社は「即時返金」を開始すると発表した。
この「即時」が意味するのは、顧客が返品を行なった場合、スナップディールが商品を受け取ってから1時間以内に返金するというものだ。同社は「(インド国内)最大手の銀行のいずれか」と協働でこれを実現すると表明している。
今回の発表は時機を計らったように見え、というのも同社の最大の競合であるフリップカートが8月末に顧客が24時間以内の返金処理を実現すると発表したばかりだからである。
一方、アマゾンは同地においてはやや遅れをとっているようで、現時点では返金の場合は1営業日後の処理となる。また、顧客に届くにはさらに2−4営業日を要する。
スナップディールの発表によると、「自動化済みで、APIをベースとし、リアルタイムで、信頼度の高い仕組みで、安全な即時返金システムを支えるIMPSテクノロジを採用」したのは同社が最初だという。もちろん、これは宣伝文句なので、真に受ける必要はないだろう。
インド国内のイーコマース市場のかなりの部分がいまでも代金引換となっており、同社は「代金引換を利用する顧客の100パーセントは、24時間年中無休のIMPS(イミーディアット・ペイメント・サーヴィス)へのアクセスが可能で、銀行休業日はこのサーヴィス提供に影響しません」と述べている。
シティバンク・インド支社によるとIMPSとは次のように定義される。

顧客がオンラインあるいはあらかじめ設定した携帯電話番号によって即時に金銭を転送することのできるサーヴィス

これを根拠とした場合、顧客がスナップディールの配達人に代金を支払って商品を受け取ることによって「即時返金」の条件を満たす一方で、IMPSシステムを利用することが必須となる(つまり現金での返金は選択肢にない)。
ということは、オンライン送金として銀行口座かモバイル電子ウォレットで受け取るか、オフラインの送金手続きを代行してくれる代理店を通して現金化するしかないということだ。インド国内のコンシューマはこういった取引をするのに馴れているといって差し支えないだろう。
イーベイは8月にスナップディールの保有株式を一部売却している。同社はその約18か月前に1億34百万ドルの資金調達ラウンドに主幹事として参画した。また、スナップディールの投資家にはアリババ、フォックスコンソフトバンクも加わっている。
6月にスナップディールは元ヤフー幹部のアナンド・チャンドラスカランをチーフ・プロダクト・オフィサーとして起用している。
「わが社ではできるかぎり、顧客の皆様が返金を希望するような事態を起こさないようにつとめています」とアナンドは今日発表した声明文で述べている。「しかし、返品が必要となればその手続きにおいて返金の円滑な実施を尊重します。わが社はこのような方針にもとづき、国内で最速の返金技術を採用し、顧客の皆様が遅滞なくお金を受け取ることができるよう万全を期しました」続きを読む
(From the VentureBeat blog post. Thanks to Michael De Waal-Montgomery.)