シアノーゲンCEOはコータナが同社モバイルOSに搭載されると発言;マイクロソフトは確約を避ける

シアノーゲンはアンドロイドをベースとしたモバイル・オペレーティング・システム「シアノーゲン」を制作するスタートアップだが、マイクロソフトとの協業により、マイクロソフト製パーソナル・デジタル・アシスタント「コータナ」をシアノーゲンOSに統合する見通しであることが一部報道で判明した。だがマイクロソフトは公式に事実を認めていない。
シアノーゲンは「マイクロソフトとの協業によってコータナを次期シアノーゲンOSに統合する準備を進めている」とインターナショナル・ビジネス・タイムズが報じ、シアノーゲン共同創業者で首席経営執行役員のカート・マクマスターの発言を引用した。ヴェンチャービート誌でもマイクロソフトに詳細の確認を求めたが、スポークスマンは今年にマイクロソフトがシアノーゲンと締結した提携を示唆するだけで明確な説明を避けた。
「4月に発表しました通り、弊社はマイクロソフトの高品質サーヴィスをシアノーゲン・オペレーティング・システムと統合してまいります」とスポークスマンはイーメールによってヴェンチャービートに送付した回答で述べている。「現時点においてはそれ以上に公表すべき事実はありません」
シアノーゲンのスポークスウーマンはやはり詳細計画について踏み込むことを避けた。
「弊社はマイクロソフトの人気サーヴィスの弊社オペレーティング・システムへの統合へ向けた戦略提携を進めております」と彼女はヴェンチャービートにイーメールで回答した。「現時点ではこれ以外に公表すべき事実はありません」
両社は少なくとも報道の内容については事実を認めるのが自然で、そうしたほうが双方の利益にもなると考える人が多数だろう。だが、今回については奇妙なことに例外のようだ。
コータナがシアノーゲンOSにも登場するのが事実ならば、シアノーゲンにとってはモバイル・プラットフォームとしての可能性を大きく広げることになる。シアノーゲンはワンプラス・ワンなど多数の機器でプリインストール採用が進んでいる。コータナが備える各種モバイル・アプリのコンテントと連携する機能はシアノーゲンOSにとって、世にあふれかえるアンドロイド(とアンドロイド派生システム)を搭載する携帯機器のなかで抜きん出るために寄与するはずだ。マイクロソフトはコータナをより賢くするために日々取り組んでおり、将来的にはアンドロイドの標準装備するパーソナル・デジタル・アシスタント「グーグル・ナウ」にはできないことまで実現することもありうる。
報道のように提携が新たな局面に入ったのであれば、コータナがより広く普及する可能性を示唆するだろう。
コータナは昨年、ウィンドウズ・フォンにはじめて搭載され、現在ウィンドウズ10を搭載するPCでも利用できる。マイクロソフトは先月からアンドロイド版コータナ・アプリをパブリック・ベータ版で提供しており、いずれはiOS版も登場するとみられる。(アップルのiOS機器はもちろん、標準でシリが搭載されており、アップルTVにも進出しつつある)もっとも、iOSやアンドロイドの利用者がこれを使うようになる保証はないが、新しいモバイル利用環境を追求する人たちは、シアノーゲンOSを搭載した携帯にコータナが搭載されていて、それを制作したのがシリコン・ヴァレイのスタートアップとくれば、試してみようとなるだろう。とくに、ウィンドウズ10でコータナをはじめて知ったという人にとっては。
シアノーゲンがマイクロソフトと4月に締結した協業は、オフィス、ワンドライヴ、ワンノート、アウトルック、スカイプといったテクノロジをシアノーゲンに統合するという内容だ。マイクロソフトはシアノーゲンへの資本参加を検討しているとの報道もあったが、同社の8千万ドルの資金調達ラウンドには参加しないことを決定した。同ラウンドにはアンドリーセン・ホロウィッツ、ベンチマーク、レッドポイント・ヴェンチャーズといった有名どころが参加していた。続きを読む
(From the VentureBeat blog post. Thanks to Jordan Novet.)