バフェットのエネルギー投資はガイコの業績悪化を埋め合わせる見通し

ウォーレン・バフェット原油価格の持ち直しにより、自動車保険事業で今年みられる業績悪化を埋め合わせることを予期しているようだ。
少なくとも、バフェットが先日石油精練業者フィリップス66に45億ドルの出資を行なったことの意図はそこにあると見受けられる。バフェットの経営するバークシャー・ハザウェイは、暴落した原油価格の回復によって傘下のガイコ自動車保険事業の急速な収益悪化をどうにか立て直すことをめざしている。
皮肉なことだが、原油価格の大幅な下落がガイコにとって最大の逆風となった。ガソリン価格が急落するなか、アメリカ人の多くは走行距離を増やしており、それが事故件数を増やし、保険金請求件数も増やすこととなった。
ガイコの証券引受業務による四半期利益は、第2四半期に87%減の5300万ドルとなった一方、保険金支払額は21%増の47億ドルとなった。バフェットは保険事業全体において引受業務による損失が3800万ドルに達したと表明、これは昨年同期の4億1100万ドルの利益からの赤字転落となった。
ガイコをめぐる難題はバークシャー・ハザウェイの株価が今年になってから12%以上下落したことの原因のひとつとなっている。これは2008年以来最低の数字である。
仮に原油価格が回復を始めれば、フィリップスの業績を大きく底上げする可能性がある、とキーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズの証券アナリストを務めるメイヤー・シールズは指摘する。
原油については最悪期をどうにか通過したとみてよさそうです」とシールズは電話インタヴューに応じ語っている。「これはある点においては、ガイコの直面する難題を少しは和らげることになるでしょう」
フィリップスへの投資に先立ってバフェットは先日、372億ドルを投じてプレシジョン・キャストパーツを買収した。同社はオレゴン州ポートランドを本拠とする航空資材および各種工業部品メーカーで、同社の買収はバークシャーにとって、2009年に買収した鉄道大手のバーリントン・ノーザンの買収金額265億ドルをしのぐ過去最大の買収となった。続きを読む
(From the TheStreet blog post. Thanks to James Passeri.)