ファイアフォックス41が登場:ハローのインスタント・メッセージング、アカウント・プロファイル写真、アンドロイド版では検索エンジン選択可能

モジラは本日、ウィンドウズ、Mac、リナックス、アンドロイド版ファイアフォックス41を開設した。今回のブラウザにおける注目すべき追加機能は、ファイアフォックス・ハロー経由でのインスタント・メッセージング、ファイアフォックス・アカウントでのプロファイル写真、アンドロイドにおける検索パネルから検索プロバイダの選択などが挙げられる。
デスクトップ版ファイアフォックス41はすでにfirefox.comでダウンロード可能となっている。また、既存ユーザは全員を対象に自動更新によるアップグレードが可能となる。通例にしたがって、アンドロイド版はグーグル・プレイからやや遅れての提供となる。
モジラはファイアフォックスにかんする正確な数字を公表していないものの、同社によると「世界中で10億人の半分」がブラウザを利用していると表明している。言い換えれば、ウェブ開発者にとっては重要なプラットフォームと目されており、モバイル・アプリが席巻する現在の世界においてもなお有力である。
ファイアフォックス41におけるもっとも重要な追加機能は、モジラの観点からすればだが、インスタント・メッセージングのサポートである。今回の追加は、ファイアフォックス・ハローの機能の一部として提供され、モジラによると「初めてブラウザ専用で開発された世界規模の通信システム」だという。
ハローをつかってビデオ通話をする際、ウィンドウズ版、Mac版、リナックス版のファイアフォックスと同じようにインスタント・メッセージを送受信することができる。
次に、ファイアフォックス・アカウントはモジラのサーヴィスにアクセスするためのアカウント・システムで、パーソナル設定の小規模な追加が行なわれた。ウィンドウズ版、Mac版、リナックス版、アンドロイド版のファイアフォックスでプロファイル写真を追加できるようになる。
そして最後に、といってもいちばん重要性が低いわけではないが、モジラはファイアフォックスのアドオンがすべて、addons.mozilla.orgを経由して認証およびデジタル署名を要することになった。これはアドオンのホスト元に関わらない。ファイアフォックス40では、デジタル署名のないアドオンについてはユーザに警告表示がされるようになった。ファイアフォックス41は認証を通過していない拡張機能を自動で無効化されるものと予想されていた。しかし、これはファイアフォックス43まで延期となった。ただし、その後もブラウザはデジタル署名の強制をユーザの自由意志で設定できる(操作方法はブラウザのabout:configからxpinstall.signatures.requredを停止と選択する)
ファイアフォックス44では、ベータ版と本リリース版の両方でデジタル署名のない拡張機能のインストールが禁止されるようになる。また、前ヴァージョンからの持ち越しもできない。
では、ファイアフォックス41の変更ログを以下に掲載しよう。

  • 新:ウィンドウズ版(Vista以降)でTSF(テキスト・サーヴィシズ・フレームワーク)を活用したIMEサポートの強化
  • 新:ファイアフォックス・アカウントからのプロファイル写真設定
  • 新:ファイアフォックス・ハローにインスタント・メッセージング追加
  • 新:SVG画像がお気に入りアイコンとして利用可能
  • 新:ボックス・シャドウ描画性能の向上
  • 変更:ウェブRTCでパーフェクト・フォワード・シクレシーが必要に
  • 変更:WARPはウィンドウズ7で無効化
  • 変更:画像デコーディング・プロセスにアップデート実施
  • 変更:コンポジター・スレッドにおける「トランスフォーム」「オペシティ」アニメーション動作のサポート
  • HTML5:メッセージチャネルおよびメッセージポートAPIが標準で利用可能
  • HTML5:SVGエレメンツにおけるトランスフォーム・オリジン・プロパティサポート
  • HTML5:CSSフォント読み込みAPIが標準で利用可能
  • HTML5:ナヴィゲーター・オンラインが実際のインターネット接続に合わせて種別変更(ウィンドウズ版、MacOSX版のみ)
  • HTML5:ウェブ・コンテントのコピー/切り取りのJavaScript操作からOSクリップボードへの移植、execCommand ("cut"/"copy")
  • HTML5:実装済みキャッシュAPI(クエリ名付与キャッシュ用途)がウィンドウ、ワーカー、サーヴィスワーカーからアクセス可能
  • 開発者:拡張機能バイナリXPCOMコンポーネンツ向けリムーヴドのサポート、アドオンSDK"system/child_process"パイプ・メカニズムを利用してネーティヴ・バイナリに対応
  • 開発者:ネットワーク・リクエストがHAR形式でエクスポート可能に
  • 開発者:クイックリーが新CSSルールに追加、インスペクターに「ニュー・ルール」項目追加
  • 開発者:マークアップ・ヴューからのノードあるいはエレメントのスクリーンショット撮影可能、スクリーンショット・ノードがコンテキスト・メニューに追加
  • 開発者:コピー・エレメントがCSSルール宣言文に追加、インスペクターに「コピー・ルール・デクレアレーション」がコンテキスト・メニューに追加
  • 開発者:インスペクターに擬似クラス・パネル追加
  • 修正:ピクチャー・エレメントのresize/viewport変更への応対を停止
  • 修正:多数のセキュリティ修正

ウェブ開発者の人には、詳細は次のページから見られる。
開発者向けファイアフォックス41
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(From the VentureBeat blog post. Thanks to Emil Protalinski.)