エヌヴィディアがGPUスタートアップのアーリーステージ・チャレンジで10万ドルのコンテスト受付開始

エヌヴィディアは本日、2016年アーリーステージ・チャレンジの参加受付を開始した。この賞はグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)を活用した最優秀スタートアップに10万ドルを付与している。
エヌヴィディアは世界最大のスタンドアローンGPUメーカーであり、このコンテストを利用して同社の周囲をとりまくエコシステムから最優秀スタートアップを発掘しようと取り組んでいる。グラフィックス・チップ・メーカーである同社は申し込み期間を開始しており、このなかから10社ほどの上位企業が2016年のエマージング・カンパニーズ・サミットで決勝戦を行なう。
各社のCEOはそれぞれ4分を与えられ、時間内に審査員への売り込みを行なうとともに、さらに4分間で質問に答える。それが終わると審査員とオーディエンスが勝者を選挙し、みごと受賞となる。2016年4月6日にサンノゼで開催されるGPUテクノロジ・コンファレンスの一環として行なわれる。昨年このコンファレンスには40か国以上から4千人ほどの参加者を集め、勝者となったのはアートマティックスだった。同社はディープ・ラーニングを手がける人口知能スタートアップで、ゲームおよびエンターテインメント企業向けにツールを提供している。
アートマティックスのチーフ・テクノロジ・オフィサーを務めるエリック・リッサーは壇上でプレゼンテーションを行ない、エヌヴィディアの事業開発担当ヴァイス・プレジデントを務めるジェフ・ハーブストから賞状を受け取った。アートマティックスは仮想環境で必要とされる素材制作のプロセスを自動化することによって、ビデオゲーム・アーティストの生活を楽にすることをめざしている。たとえば、鉄道の駅やスタジアムの仮想環境を構成する資材が必要となれば、そこに多数のアーティストの作業が要請され、ゲーム制作のためには面倒でも手作業をしていた。しかしアートマティックスはこういったプロセスを自動化するため、テーマごとに部品の細分化を行ない、アーティストの利便性を高める成型をつくるとリッサーは述べている。
この仕事には「ディープ・ラーニング」とよばれる、画像を認識し、被写体の属性を判別し、その構成部品を成型するという一連の機能が関わってくる。アートマティックスを利用しているゲーム会社はアーティストの重荷になりがちなこの作業を自動化することができる。それによってアーティストの人員を削減したり、これまでよりずっと大規模な仮想世界を構築することが可能になる。一方、人間であるアーティストは主要キャラクターや実物に近い画像を成形するという有意義な作業に集中することができる。
アートマティックスはアイルランドのダブリンを本拠とし、これまでに25万ドルを資金調達している。創業してから1年になる。デモのなかでアートマティックスは、ファン・ゴッホによる「星月夜」とゴールデン・ゲート・ブリッジの画像を合成した映像を制作することが可能な技術を披露した。続きを読む
(From the VentureBeat blog post. Thanks to Dean Takahashi.)