フィンテックの業務提携が実現:リージョンズが融資スタートアップと共同ローン開設
シリコン・ヴァレイの金融への影響力が増大している現状を示す取引が判明した。16州で支店を構える銀行の親会社であるリージョンズ・フィナンシャルが融資スタートアップ「ファンデーション」との業務提携によって、スモール・ビジネス向けオンライン・ローンを開設する計画である。
この提携は、月曜日にも発表される予定だが、上場企業であるリージョンズ(110億ドルの時価総額)にオンライン・バンキングでの存在感を与えることになる。ファンデーションはリージョンズと取引関係をもつスモール・ビジネス事業主との連絡を取り合い、それによってスタートアップの売上高を倍増させようという取り組みである。
今回の提携の結果として「(ローン)契約数および売上高を少なくとも倍増させるものとみています」と同社のCEOであるサム・グラツィアーノはUSAトゥデイの取材に応じて述べた。株式未公開企業である同社の売上高について、彼は言及を控えた。なお、同社はプライヴェート・エクィティ投資会社であるガリソン・インヴェストメント・グループからの出資で経営している。
今回の提携の背景としては、ウォール・ストリートの巨艦であるゴールドマン・サックスをはじめとする各規模各種別の銀行がオンライン貸金業者の台頭に直面しており、レンディングクラブ、オンデック、ファンデーション、ファンディングサークルなど新興企業がますますひしめく分野となっている。
オンライン貸金業者が旧来型の銀行にとって脅威となりうるのは、コストと規制の両面で銀行より優位なためだ。昔ながらの貸金業とくらべて、貸出までにかかる期間が早いのも特徴である。
ゴールドマン・サックスは新興金融テクノロジ業界(フィンテックとよばれる)の見通しについて、ウォール・ストリートの伝統的な金融業から4兆7千億ドルの売上高、4700億ドルの利益を奪う可能性があると予測している。融資にとどまらず、決済処理や投資顧問にいたるサーヴィスにも進出するからだ。
これはただの世間話ではない。ゴールドマンCEOロイド・ブランクファインは5月に従業員に向けて、投資銀行の雄である同社は自ら、コンシューマを対象としたオンライン融資プロダクトを開設するよう指示した。「デジタル主導のバンキング・サーヴィスをコンシューマおよびスモール・ビジネス向けに提供するという事業機会があることを明らかに認識しています」とブランクファインは文書で述べている。
リージョンズにとって、オンライン貸金業パートナーの選定については昨年から進めてきた取り組みであり、それに先立ち同社はコンシューマを対象に調査を実施し、「リージョンズを検討した末にオンライン融資プロダクトを選んだ人」が20%近くなったことが判明したと同社ビジネス・バンキング・ユニット統括者ジョー・ディニコラントニオは述べている。
十数社との交渉の末、リージョンズはファンデーションとの合意に達した。ファンデーションは、借り手に貸し手を紹介するレンディングクラブと異なり、ローンの引受業務に強みをもつ。
スモール・ビジネス事業主の顧客は新設される共同運営のウェブサイトを見て、ローン申請を行なうことができるようになる。このサイトの運営はファンデーションが担当し、借り手をファンデーションとリージョンズのうち、需要に適合した側へと誘導する。続きを読む
(From the USAToday blog post. Thanks to Kaja Whitehouse.)