ジャック・ドーシイが正式に両社のCEOとなったいま、スクエアをめぐる3つの疑問
ジャック・ドーシイはツイッターの正式なCEOとして復帰したが、彼のもうひとつの会社であるスクエアは今後、上司をツイッターと共有しなければならない。ドーシイと仕事を共にしてきた人の多くは彼の兼務について難題が多いとみている。だがタイミングはさほどひどくはなかった。
スクエアはスモールビジネス決済およびサーヴィスを提供しており、株式公開へ向けて順調な申請手続きに入っている。近日中にも様式Sー1を当局に提出するとみられる。そうなると、ドーシイが上場企業2社を並行して運営するためにどんな計画をもち、スクエアの扱いはどうなるのかという疑問が生じる。以下に3つの疑問を挙げよう。
1.スクエアのIPOにはどう影響するのか? 同社がIPOというロードショウにさしあたって将来の投資家になる人たちに対し、ドーシイをはじめとする上級幹部がどのように会社を売り込むのか、お手並みを拝見することになる。経営チームにはドーシイの兼務について、またスクエアの運営方針について質問が来ることは間違いない。ドーシイ率いる経営チームの堅固さを明らかにするメッセージと、同社の財務成績という根拠が示されることだろう。だが、もし上場後の数か月に波乱が生じた場合はどうなるのか?
2.じっさいにスクエアを運営するのは誰か? サラ・フライアーはスクエアのCFOを務めており、フランソワーズ・ブロアーが売上担当、アリサ・ヘンリーがプロダクトおよびエンジニアリング全般の担当となっている。3名とも周囲の評価が高いが、明白なナンバー2が誰なのか明らかではない。以前ならCOOを務めていたキース・ラボワがそうだったが、彼は2013年前半に同社を退社している。フルタイムのCEOとの連携を前提とした布陣であろうが、これがパートタイムとなれば、その後どうなるのかはやはり不明だ。スクエアがこの疑問に答えることができなければ、投資家のなかには警鐘を鳴らす者が出てきても不思議はない。
3.なぜドーシイはスクエアCEOを退任して会長として留まることをしないのか? ドーシイはどの道スクエアのCEOをつづけるつもりだと表明した以上、自分を追い込んだことになる。だが、現実といえば、彼にはタイミングのせいで選択肢はなかった。スクエアのIPOを目前に控えて彼が退任すれば、それを台無しにしていたはずだ。だがそれでは理想とかけ離れた決断であり、いまの状況を不透明なままで進めることは考えにくい。もし、スクエアが上場後も数四半期つづけて好決算となれば、ドーシイはそこでCEOを降りて、社内の誰かに譲ることもありうる。逆に数四半期が不調となれば、たちまち状況は悪化するだろう。
取材に対し、スクエアの渉外担当幹部を務めるアーロン・ザモストはイーメールでこう回答している。「ジャックはこれまで、スクエアをCEOとして率いていくという決意をなおざりにしたことはありません。わが社の戦略と結束を固めるリーダーとして、ジャックは錚々たる上級幹部を擁し、この長期的な展望を実現していくつもりでいます。また、彼はこの数か月にわたって実績を見せているとおり、ふたつの会社を効率的に引っ張っていくだけの能力、情熱、集中力を備えています」続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Jason Del Rey.)