パンドラがティケットフライを4億5千万ドルで買収へ

パンドラは近日中にもティケットフライを買収する見通しとなった。同社はチケット販売代理店を運営し小型催事に強みをもつ。4億5千万ドル程度の成約金額とみられる。今回の買収が実れば、パンドラにとっては事業多角化を進める同社にとって重要な転機となる。現在同社の売上高のすべてがウェブ・サーヴィスからのものだ。(更新情報:パンドラは買収の成約を公式に認めた。)
ティケットフライはコンサートなど各種催事のチケットを販売して収益をあげており、たとえばニューヨーク、ラスヴェガス、ロンドンなどで展開するクラブ「ブルックリン・ボウル」の代理店となっている。チケットビジネスではライヴネーション傘下のティケットマスターが市場を席巻している状況だ。
業界の関係者への取材によると、パンドラは現金および株式交換による取引を希望しているという。ティケットフライはこれまでに累計87百万ドルを資金調達しており、昨年夏には5千万ドル程度のラウンドを実施した。パンドラとティケットフライの広報担当に問い合わせているが、返答はまだない。パンドラはストリーミング音楽ビジネスの先駆者であり、8千万人近くのユーザを集めている。その大半は無料で音楽を聴く人たちで、無料サーヴィスは広告収入で運営されている。また、同社は月額4ドルで広告非表示の定額サーヴィスも提供している。
パンドラはストリーミング音楽がますます人気になるなか、たとえばスポティファイやアップル・ミュージックの勢力拡大を追い風に、リスナー数の順調な伸びをみてきた。だが利益水準については以前から難題が多い。売上高の大半は楽曲の権利者へと引き渡され、パンドラの利用頻度が高まるにつれ、コストがかさんでいる。今年の第2四半期決算でパンドラは1600万ドルの赤字となり、前年同期の1180万ドルから赤字幅が拡大した。
今年パンドラは音楽データ・サーヴィスを運営している「ネクスト・ビッグ・サウンド」を買収した。成約金額は公表されていない。6月30日時点でパンドラは4億6千万ドルの現金を保有しており、市場における投資家の評価額は、46億7千万ドルとなっている。続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Peter Kafka and Kara Swisher.)