グーグル検索の主流はモバイルへ

グーグル検索はモバイルへと移行した。
今年夏、グーグル検索の件数は全世界ではじめて、パーソナル・コンピュータ経由をモバイル機器経由が上回った。グーグルの親会社であるアルファベットの検索統括者であるアミット・シンハルは木曜日に行なわれたリコード・モバイル・コンファレンスでこの事実を公表した。なお、この数字はタブレット・コンピュータ経由の検索を除外していると彼は述べた。
モバイルへの移行が進むにつれ、グーグルは中核事業の見直しを急いできた。同社の検索エンジンに打ち込まれたキーワードをもとに広告を販売するのが収益の柱である。携帯電話、タブレット、自動車、ウエラブルといった新しい種別の機器が生まれ、それに合った検索の手法が必要になってます、とシンハル氏はカリフォルニア州ハーフ・ムーン・ベイで開催された同イヴェントで語った。
「わが社の考える検索とは、あなたがたがコンピューティングとどう関わりあうか、その基本を示すものです」とシンハル氏は述べる。「コンピューティングはときに、4インチから6インチの機器で、ときにデスクトップ機器で、あるいはときに1インチの円形機器で行なわれます」
グーグルは現在、月間1千億件を超える検索数をさばいている。同社は5月に、合衆国や日本をはじめとする10か国においてモバイル機器経由の検索がデスクトップ・コンピュータ経由の件数を追い抜いたと表明した。
日々増大をつづける検索数は必ずしも、グーグル初期からの検索エンジン・ボックスにタイプ入力するというやり方にはかぎらない。たとえば、自動車のなかではユーザはタイプしない。グーグルは音声認識技術の改善に取り組んできた。「自動車に向かって呼びかけられる検索の半分以上は、インフォメーションかエンターテインメントの関連です」とシンハル氏は言う。
モバイル・ガジェットの小さな画面にはキーワードにもとづいた広告を表示する余地は少なく、そのためグーグルは今年、広告をモバイル適合型に作り替え、たとえば画像、商品のスペックや価格をキーワードの上位に置くデータ主体の手法を展開した。ユーザがなにかを検索するとき、グーグルはそこにパネルを重ねて表示し、モバイル検索結果の上部に広告主からのリスティングを並べるようになった。
モバイル機器の普及によってアプリの勢力が拡大しており、これはグーグルにとって脅威となっている。というのは、検索エンジンは通常アプリの内部を覗くことができないからだ。同社は数十億件のアプリをインデックス化して、検索結果にアプリへのリンクを表示できるよう取り組んでいます、とシンハル氏は述べた。
同社幹部である彼はグーグルの新しい企業構造であるアルファベットについて、各種部門がこれまで以上に迅速かつ機敏な意思決定を行なえるようになると指摘する。企業構造を一新したことによって、グーグル共同創業者ラリー・ページが無人運転自動車のような未来的なプロジェクトへの重点化を図ることにもつながると彼は述べた。続きを読む
(From the Digits blog post. Thanks to Douglas Macmillan.)