フリップカートがグーグルからヴェテランを起用しモバイル強化とアマゾン対策を狙う

フリップカートはインドのイーコマース・スタートアップで多額の資金調達を実施してきたが、モバイル機器から色々な商品を購入してもらおうと努めている。そこで同社はグーグルでモバイル・エンジニアを務めたヴェテランの起用に踏み切った。
スロジット・チャタジはグーグルのモバイル検索広告担当リード・プロダクト・マネージャーを務めてきたがフリップカートにシニア・ヴァイス・プレジデント兼コンシューマ・エクスペリエンスおよびグロース統括者として加入した。彼のために新設された職名である。彼はインド国内の同社本社勤務となりデスクトップおよびモバイルにおけるコンシューマ・エクスペリエンスを統率する予定だ。同社は火曜日にこの人事を発表した。
チャタジは今年になってからグーグルを後にしてフリップカートへと渡り歩いたヴェテランの2人目となる。彼の上司となるプニット・ソーニはかつてグーグル傘下のモトローラ事業担当ヴァイス・プレジデントを務めたがフリップカートにチーフ・プロダクト・オフィサーとして起用された。当時、同社はグーグルのアンドロイド・ワン・プログラムのエンジニアリング統括者を務めたプーイェシュ・ランジャンを同社エンジニアリング担当ヴァイス・プレジデントとして迎えた。
チャタジは2007年にグーグルのアジア・パシフィック部門で決済およびモバイル・プロダクトに携わった。その後インドを離れてマウンテン・ヴューの本社勤務となりモバイル広告に取り掛かった。彼はグーグルのモバイル広告チームの初期メンバーとなり、その後アドセンスのオンライン小売業者向け製品の開設に携わった。彼は最近ではイーコマース企業の急増に伴い、小売業者によるモバイルへの重点化を促進しプロダクト開発から広告費用の拡大まで支援を続けてきた。
テクノロジに精通したインド人の多くがそうであるように、彼はフリップカートの躍進を旅行中に感じとった。チャタジはその可能性を大げさな表現で評する。「フリップカートはたんにインド最大のイーコマース企業になるだけではありません」と彼はリコード誌の取材に応じて語った。「そのうちに同社はインドの社会をすっかり変えて行くつもりなのです」
イーコマースの爆発的普及が進むインド国内でフリップカートはやはりイーコマースでその名前を知られている。しかし同社は国内発の競合であるスナップディールとのきびしい対決に加え、アマゾンもインド国内で多額の投資を行っている。
フリップカートが重視するのはモバイルである。同社の予測では取引全体の80パーセントまでがモバイル機器から処理されることになるという。そしてこの重点化はグーグルとの火花を散らすことにもつなげう。最近フリップカートはモバイル・ウェブ訪問者にさかんにアプリのダウンロードを推奨している。それはひいてはグーグルのモバイル検索広告収入を減らすことにもなる。だがチャタジは対決の度合いはさほど強まらないと指摘する。モバイルサイトとアプリでは用途の棲み分けができているという。「ただ、そのうちに両者の区別は縮まっていくものと思われます」と彼は述べた。
7月にフリップカートはタイガー・グローバルとナスパーズを主幹事とする10億ドルの資金調達を実施し、同社の評価額は150億ドルに達した。続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Mark Bergen.)