モジラがiOS版ファイアフォックスをパブリック・プリヴュー版から正式版へ

モジラは本日、iOS版ファイアフォックスを世界同時提供開始した。アイフォーン、アイパッドアイポッド・タッチからダウンロードが可能となる。アップルのアップ・ストアから直接入手できる(iOS8.2以上が条件)。
本日の開始までは、パブリック・プリヴュー版のiOS向けファイアフォックスがニュージーランド限定で提供されていた。最近はニュージーランドで新しいアプリやウェブの新機能を試験運用するのが一般化している。各社が同国で先行開設を好むのは人口が少なく、なおかつ英語圏であることが理由である。
モジラは9月からプリヴュー版を続けてきたが、正式版の開始に先立ち数か国で試験運用を実施してから今年中の世界同時開設をめざすとしていた。どうやらこの2つめの手順はスキップして正式版リリースへと進んだようだ。

iOS版ファイアフォックスのハイライトとして、検索結果の予測表示、検索プロバイダーの選択といった「インテリジェント検索」、単一画面から同時に複数のタブを表示する「ヴィジュアル・タブズ」 、ブラウザ履歴、ブックマーク、 パスワード、タブをデスクトップ版やアンドロイド版からインポートすることができる「ファイアフォックス・アカウント」が挙げられる。また、見逃せないのは「プライベート・ブラウジング」で、これを使うとブラウザ履歴や訪問先へのクッキー履歴を残すことなくブラウジングができる。
モジラは自然な成行としてホーム画面下の「ドック」にファイアフォックスを登録して利用をかんたんにすることを推奨している。モジラによると「これがiOSではじめてのファイアフォックスです。ユーザの皆さんにはこれからもどんどん新しい変化をお届けし、機能を拡充できるものと見込んでいます」という。
モジラにとっては記念すべき転機である。2013年にモジラはiOS版の開設を拒否したが、これはアップルがモジラに自社製レンダリング・エンジンの搭載を許可しなかったためだと同社は述べている。
その後同社はこの方針に固執することはユーザの利益にも響く(アンドロイド版は4年間でダウンロード回数が1億回に達した) と判断した。そのため、iOS版は同社のエンジン「Gecko」が搭載されていない。だがファイアフォックスのユーザが期待している機能の多くは採用されており、それがユーザの利益になるとの同社判断のようだ。続きを読む
(From the VentureBeat blog post. Thanks to Emil Protalinski.)