スクエアの公開価格は予想を下回る9ドルに設定

スクエアは新規株式公開にあたって、公開価格を1株9ドルに設定した。これによって同社はニューヨーク証券取引所に上場する前に2億79百万ドルの資金調達が確定した。同社はこれまで、3億5千万ドルないし4億ドルの資金調達をめざしていた。
同社は先月、正式に株式公開の申請を行ない、1株あたりの価格を11ドルないし13ドルと見積もっていた。すなわち、42億ドルを上限とする評価額を予定していた。
スクエアは順調にいけば2015年末までに売上高の10億ドル達成が見込まれるが、黒字化には至っていない。同社は今年の9か月間で1億31百万ドルの純損失となっている。株式公開の申請文書からは、同社の取引処理がさほど伸びていないことも判明した。これはスクエアの主要な収益源である。同社は昨年237億8千万ドルの取引処理金額に対して7億51百万ドルの売上高を記録した。一方、ペイパルやファーストデータは数千億ドルにものぼる取引処理金額を記録している。
スクエアが株式公開をめざす姿勢を明らかにして以来、報道各社は同社にあまり好意的ではなかった。投資家など同社の将来に関心をもつ人たちは同社が未公開企業としての価値と株式公開後の価値に大きな隔たりが生じる可能性に懸念を示している。
それもそのはず、スクエアは同社の価値を投資家に納得させるためになすべき仕事が山積みになっている。取引処理量の増加にとどまらず、同社の提供している有料サーヴィス「アポイントメンツ」「ペイロール」の順調な拡大にも成果を出す必要がある。昨年、ソフトウェア事業はスクエアの売上高のうち1パーセント程度だったのが4.5パーセントまで拡大している。
スクエアが上場後にどの程度伸びていくか予測するのは困難である。もっとも、今回設定された価格の低さは批判を和らげることに寄与するかもしれない。エッツィは今年ナスダックに上場した後しばらく、順調な株価の伸びをみせてきたものの、下落に転じると10ドルを切るまで落ち込んだ。スクエアは自らの価格を低めに見積もることによって、初期の株価下落を避ける手法を選んだといえる。同社の公開企業としての道のりを慎重に進める構えだ。続きを読む
(From the VentureBeat blog post. Thanks to Ruth Reader.)