ユーバがシアトルとシカゴで通勤者向け乗り換えサーヴィスを試験運用

ユーバはこれまでのように多数の車両を公道に出すことなく、多くの人の通勤を支援する方法を試験的に運用している。同社はパイロット・プログラムとして「ユーバホップ」「ユーバコミュート」の2つを開設すると発表した。これらはシアトルとシカゴの各市内を対象とし、ユーバプールのために整備した仕掛けを土台に構築される。2つのサーヴィスの違いは主に、乗客をターゲットにするか、ドライヴァーをターゲットにするかの違いである。
ユーバはブログ記事のなかでユーバプールについて、「サン・フランシスコ」の走行数のうち「半数近く」を占めていることを明かしたうえで、ロス・アンジェルスでは最初の8か月間で「790万マイル相当の走行距離を節約し、二酸化炭素排出量を1.400トン削減して大気汚染の防止に寄与」したと述べている。
12月10日から開始されるユーバホップはシアトルを皮切りにとし、ユーザは乗車予約のついでに通勤に使う経路の選択も操作できる。これはユーバプールですでに採用されていたもので、アプリをつかってドライヴァーと連絡をとり、同じ方角へ向かう別の乗客のペアを見つけ出すことが可能となっている。ただし、今回新しくなったのは車両がこちらにやってくる代わりに、どこか落ち合う場所を決めて、車両はいちどに同乗者を乗せるとともに、下車する場所も全員のいちばん都合があう地点に決めることができる点にある。
ユーバコミュートについては、ドライヴァーが自分で運転する経路を皆に公開することによって、費用の節約になるという効果を狙ったものだ。これはシカゴで試験運用を開始しており、月曜日から金曜日の午前6時から午後10時までとなっている。
市内への通勤の際に自分の経路を共有したい人は、サインアップしてユーバのドライヴァー登録をするとともに、同社の設定した手順に従って操作する。仕事に出かけるとき、そのことを皆に公開するためにはアプリを有効化しておく。そうすると、ユーバが同じ方角へ向かう人を見つけて組み合わせる。乗客はユーバプールをつかって乗れる車両を探し出す。
ユーバコミュートは仕事に向かう自分の車をつかって利益を生み出したい人に最適化されており、通常のユーバのドライヴァー向けとは異なっている。
同社はシカゴが選ばれた理由について、「今回のパイロット・プログラムの場合、とくに役立つと思われる課題がそこにあるからです。交通集中です」I−90ルートは米国でもっとも深刻な渋滞箇所とされており、毎年1690万時間がそのためにムダになっているとの試算がある。
ユーバの掲げるミッションのひとつはふつうの人が自分の車をつかって稼ぐ手段を提供するだけでなく、公道の交通集中緩和でもある。車両を共有することによって、環境への影響も抑えることができ、さらには皆の便利も達成できるかもしれない。これこそ同社が広げているプロダクト戦略の基本で、首席経営執行役員のトラヴィス・カラニックは「便利さ、値段の安さ、そしてあらゆることに役立つマジック」と表現している。
通勤者の鬱憤に対策することは、日々続く乗換えの労力に苦しむ多くの人たちにも歓迎されるかもしれない。もっとも、カープールは以前からふつうに行なわれてきた習慣であるが、たとえばサン・フランシスコしないのトランスベイ駅で多くの人が乗るクルマを待って列を成しているのを見れば、それが毎朝毎夕つづく苦労であることが見て取れる。
自分の行き先にあった車を見つけようと行列に並ぶのではなく、ユーバはボタンひとつ押すだけで自動化できる手段を創り出そうとしている。続きを読む
(From the VentureBeat blog post. Thanks to Ken Yeung.)