テクノロジを話題にしたブログの役割を分類してみる

テクノロジ、とくにシリコンバレーを中心に話題が展開するブログ記事には、いくつかの役割に分けることができると思って、ためしに分けてみました。

  • 合衆国内の有力新聞のテクノロジ関連の記者が、自分の名前を出して踏み込んだ記事を書く場所
    • NewYorkTimes Blog, SFgate.com, WashingtonPost, All Things Digital, Barron's Blog
    • ディスプレイ広告が主な収益源
  • 雑誌およびR&D関連会社が専門の記者に報酬を払って継続的に書かせる場所
    • BusinessWeek.com, Forbes.com, Newsweek.com, CNET News.com, ZDNet.com
    • 官僚機構をがっちり組んで土台をかため、情報に付加価値をつけて国際的に売ることが収益源
  • ブログ記事を有力新聞に配信、あるいは出資者を得ることで収益を大きくあげ、希少価値の高い記事を書ける少数の記者のいる場所
    • TechCrunch, VentureBeat, GigaOM, ReadWriteWeb
    • 爺殺し型起業家の力で、情報に値札をつけて売ることが主な収益源

この3つの型にあてはまらないものがいろいろあるとは思います(ガジェット系など)が、上に行くほど、ひとつの記事の会社への重要度が低くなります。逆に言えば、下は有力記者がひとり抜けてしまうだけで、相当なダメージがありそうです。わたしは、下のものはなるべくブックマークをつけないようにしています。これには理由があって、たとえばブログで死んでしまう、あるいは病気になってしまう記者がいます。そのような哀しいできごとがつづけて出るような構造に自分が手を貸しているような気分になってくるからです。それからなぜかわかりませんが、下に行くほど論争がはげしいような気がします。
それから上の有力新聞の場合、取材にお金がかかっていそうな記事は、ブログ扱いにはしないことが多い。本紙サイトに載せることが多いようです。この場合、記事は連名のことも多い。
こうやって考えると、いちばん安定しているように見えるのは、中間の型、つまりBusinessWeekやCNETではないかと思えてきます。しかしこれはもともと雑誌が得意としている位置取りです。記事の発信の仕方、署名のつけかたなど、決まったかたちはありません。それぞれ違った土台に立っていて、共通するのは官僚機構ががっちり組まれていること。それでこそ、記者も安心してそこに集まってくるというわけです。
それから下の型で、ちょっと毛色が違うのはReadWriteWebかなと思います。起業家むけの記事が継続的に発信されているという意味ではZDNet.comに近い役割ですが、ZDNet.comにはカネの面倒を見てくれる親分のCNETがいるのですが、ReadWriteWebには親分がいないように見えます。そして、じつはいちばんこれから盛り上がりそうなのはこの型を練り直したものではないかと思っています。ブログの第二期隆盛期があるとしたら、このあたりにヒントがあるかもしれません。