「戦略的な事業機会」を見積もるときだ

(This is a translated version of "A VC" blog post. Thanks to Fred Wilson.)
今朝わたしはこのあと、ピルズベリイがアントレプレナーむけに主催する招待限定の講演会で話をする。ボウ・ヤーメイが数人のVCに依頼して、ポートフォリオがどうなっているか、わたしたちがまさに当事者となっている変動期に対し、ポートフォリオに入っている会社とどのように関わりをしているかを話してもらうことになったのだ。
これはなるほどいい話題である。わたし自身は自分の関わっている会社についてあまり詳しく内部の事情まで訊かれるのは気が乗らないが(これはここでもそうだし今朝のボウのイヴェントでもそうだ)そのうえで言いたいのは、いまやあらゆる会社にとって、「戦略的な事業機会」を見積もってみるべきときがやってきていることだ。
「戦略的な事業機会」とはよく「売却の手続き」の世界で使われる言葉だが、わたしが思うにこれはあらゆる会社にとって考えておいたほうがいいことだ。ここではやや包括的な話として戦略の手続きについてわたしは言っている。
わたしたちは、投資している会社にはたいてい、よく練った戦略的計画手続きを用意するように求めてきた。なかでもとくに発展した会社は、これを定期的な訓練のように行なっている。だがまだ駆け出しの会社の多くでは、製品や技術面での問題にその大きな力を注いでいるので、ふと立ち返ってみて大きな展望を考え直すということには至っていない。
市場がきびしい状況にあるときは、たくさん使うことができるのは時間だ。カネは切羽詰まっていて、誰にもいつ、つぎのベンチャ融資が受けられるかはわからない。だから製品の計画表から立ち返って、ちょっとでも「あなたの会社は成長できたとき、なにをしたいのか」を考えることが大きな違いを生む。製品だけでなく、事業として明確な目標をもつことが決定的なのだ。
その手続きには、目標を達成するために必要なリソースを明確に見積もること、役割分担と時間表も含まれる。そこで出る最終結果は、戦略と財務における計画を備えた事業計画であることが求められる。財務における計画は少なくとも18か月以上にわたるもので、できればもっと先まで見通せるくらい長いものが望ましい。
それがいったんまとまれば、ステークホルダたちはその計画の経済的妥当性、そこに生じるリスク、計画に資本を出すもっとも望ましい方法について、話し合うことができる。
それがときには「戦略的な事業機会」すなわち売却の手続きにまで発展することもある。創業者、役員、投資者が事業計画を冷徹な目で見ると、ときにはその計画が誰か戦略上の買い手にわたるほうが、ヴェンチャ・キャピタルや公開市場で取引されるよりも有利な融資が受けられるということも起こりうるのだ。
だがそれよりも、計画が1ラウンドの融資への第一歩となることが多い。現在の市場では、既存の投資者によるものが多い。その出資者が戦略的な手続きを通して、その事業機会にはそれだけの価値があると認め、その後の面倒も見ようと決断するという流れだ。
現在の市場において、いちばん悪いのはカネが尽き、計画もないというオチだ。ある時点でカネが尽きるというのは、可能性が高いことである。だからこそ、計画なしに進んではいけない。