アップルがよりグリーンに--それと、これはカネの話じゃない!

(This is a translated version of "The Mac Night Owl" blog post. Thanks to Gene Steinberg.)
先だってアップデートされた17インチのマックブック・プロ(先代と同じ2,799ドルで販売される)のTV広告をつくったとき、アップルはそのすぐれた性能をあまり強調しなかった。もっとも、そのパッと見た姿は人目を惹かずにはいられないだろうが。アップルが代わりにしたのは、リサイクルのしやすさ、新型の寿命の長いバッテリを強調し、そのグリーン色に染まった美徳を自賛することだった。
長らくアップグレードという日の目を見ることもなく、かわいそうだったマック・ミニは今週、出荷されるにあたって「世界でもっともエネルギー効率のよいデスクトップ・コンピュータ」と紹介された。たとえば、アイドル時に新型ミニが消費する電力は、ほんの13ワットで、これは先代から45パーセントも減っている。たしかにグリーンピースなどの活動団体からの圧力は、大きな影響を与えたようだ。
じっさい、ミニは環境にやさしい特徴をいくつも備えており、その大半は今回の新型ラインアップと共通のものである。

  • BFRなし
  • PVCなし(内蔵ケーブル)
  • リサイクル率の高いアルミニウムおよびポリカーボネートの外装
  • ENERGY STARヴァージョン5.0への適合
  • EPEATゴールド合格

ここに挙げた問題が本当に価値があるのか、わたしはわかったような口を利いたりしたくないが、ひとつお知らせしておいたほうがいいのが、ENERGY STARヴァージョン5.0という規格は、2009年6月にならないと施行されないので、アップルが産業に先がけてこれを取り入れたことは明らかということだ。しかしその一方で、わたしたちの社会全体がこの方向へ向かっていること、とくに合衆国新政府がそれを率いていることも明らかであり、これはアップルにとって適切な時期だったといえる。お忘れかもしれないが、元副大統領のアル・ゴアは、環境保護活動家の第一人者を自任しているが、アップルの取締役会に名を連ねている。
だがここではゴアの存在や、アップルの行動が与える政治的な影響は脇に置いておこう。たしかに性能と、電力効率のよさを兼ね備えたデスクトップ・コンピュータをつくることはなんら問題はない。これはどうもアイマックにも同じことが言えそうで、アップルが誇らしく言うには、この新しいモデルは「アップルのマックブック製品で採用されたバッテリ駆動時間の長さを実現するテクノロジから、より進化した電力管理システムを採用しています。エネルギー消費を削減するために、アイマックのハードドライヴは非アクティヴ時に自動的に回転を落とします。アイマックはCPUとGPUのうち、どちらのプロセッサがそのタスクを効率よく処理できるか、最良の判断をすることができます。つまりはアイマックがアイドル時には、できるかぎり少なく電力を使うわけです」
最高性能のマック・プロ・ワークステーションでさえ、この環境にやさしいということに首を縦に振っていて、アップルが誇らしく言うには、「先代のマック・プロとくらべて、システムがアイドル時に消費する電力は15パーセント削減しています」という。これは感心するほど多くはないかもしれないが、それでも8コアと改良版のグラフィックス・チップの載ったデスクトップ・コンピュータが手に入ると思えば、これは小さなことの集まりではあるが、意味がある。
それから意味があることといえば、この道具を最終的にリサイクル工場へと送ることになったら、その素材をべつの目的に使い直すことも容易になることだ。これがマックの製造に役立つこともあると思う。そうなるとアップルは新しく発売となったアップグレードされたモデルが、少なくとも一部は、リサイクル部品を利用してつくられていると公表するのがいつのことになるだろうか?
価格性能比からしても、新しいマックは前より多くの価値を、環境への関心は抜きにしても、顧客に提示できているようだ。新しいマック・ミニの変更は、エヌヴィディア統合チップをのぞけば、なるほど小さいかもしれないが、アイマックのほうはまちがいなく、アップル製品のどれとくらべても、相当なお買い得になった。1,499ドル版に24インチのディスプレイ、4GBのRAM、標準で650GBのハードドライヴがついてくるのだ。お忘れかもしれないが、これまでは、同じ値段で買えたのは、20インチ画面、メモリは半分、ハードドライヴ容量は半分だったのだから。
なるほど、標準の統合フラフィックスへの変更はグラフィックス性能が劣化したように感じられるかもしれないが、すでに方々で公開されているユニボディのマックブックのベンチマークを見れば、これは同じエヌヴィディアのチップセットを載せているが、なにも犠牲にはされていないことがわかるだろう。例外はメモリが共有になったくらいだ。グラフィックス性能はじっさい、先代に載った、共有型でないATIグラフィックス・チップのそれよりすぐれている。
知っている方もいるかもしれないが、すでに旧式のモデルを大量に廉価販売している動きがあるが、それで値段が安くなったといっても、それに見合う価値はない。100ドルか200ドル値引きされた先代アイマックを買ったところで、なんの得もない。ほんとうに金銭的に逼迫しているのならべつだが。そうだとしても、1,199ドルで20インチのアイマックもあるのだから、これは1,499ドルだった先代よりも価値があるはずだ。ない話だとは思うのだが、ふとわたしが思うのは、アップルは現在の経済状況でやや逼迫してきていて、スピード強化されたコンピュータを組んで売ろうと躍起になっているのかもしれない。
とうぜん、アップルが環境への十分な負担を行なっていないと言ってきた評論家たちは、なんと言い訳しようとも、説得力を欠くことになるだろう。それでも彼らはマックは高すぎると言い張るのだろうが。ここでふたたび、価値の話に戻そう。以前と同じく、マックをひとつ取り上げて、それをウィンドウズPCの同等のもので標準の装備のものとくらべてみれば、ソフトウェアも計算に入れれば、価格はほとんど差がなくなる。近頃ではどちらかといえば、性能ではマックのほうが勝つことが多いし、マック・プロをデルなどのワークステーションとくらべてみても、こちらが勝つほうが多い。
これがマックの売り上げを加速するかはべつの話だし、これは前もって決めつけることのできない問題に違いない。これは自分なら買ってもいいかどうかという問題を超えている。だがわたしはいつでも、ここに読みに来る人でビジネスの専門家がいれば耳を傾ける用意はあるつもりだ。