メディア企業がグーグルにブログばかりでなく自分たちのコンテントも優遇してくれと要請

(This is a translated version of the "Micro Persuasion" blog post. Thanks to Steve Rubel.)
ナット・アイヴが「アドエージ」に書いた記事によると、複数の大手メディア企業がグーグルに対し、ブログばかりでなく自分たちにももうすこし良い立場を与えてほしいと要請しているという。

出版社の多くが苦々しく思っているのは、グーグルが検索上位を選ぶのに、まず自前の「ページランク」の、そのページがリンクされた数から算定した基準を採用していることだ。だがそれよりも広告収入がボロボロになっていることが、かれらの気を揉む原因となっている。グーグル検索結果の3ページ目まで見ていられるようなときではないのだ。出版社が手持ちのコンテントの一部をオンラインでも売ろうとする取り組みを新たにしていたところに持ってきて、グーグルのアルゴリズムが有料コンテントに罰則を設けているせいでさらに気を揉むことになっている。
「こんなシステムがあるなんて」と、あるコンテント業の経営者は言う。「コンテントをほんとうに生み出している者たちを食いつぶしている側の人間が、不当に利益を得ているのですよ」

今年は何年だったっけ? わたしの記憶では2009年だったはずだ。でもこれを読んでいるとなんだか、2004年がまたやってきたような気がする。この話には両側の言い分があるだろうが、「アドエージ」のまとめ方では、メディアの言い分にはいくつか誤解があるようだ。
ひとつには、メディアとブログについて書かれた行は、どこへ行ってしまったのだろうか。「テッククランチ」や「エンガジェット」は? あれはどちらもブログだが、広告だってやっている。あれはソーシャル・メディアなのか、メディアなのか? わたしに言わせれば、しまうまや象はもういないのだ。それぞれが交配し、わたしたちはみなひとつの種にまとまったのだから。
ふたつには、企業はいまや、自前のメディアをつくりあげている。この趨勢をコンテント・マーケティングと呼ぶ人もなかにはいる。たとえばインテルだとかウォルマート(うちの顧客だ)がやっていることを見たらいい。グーグルはかれらのコンテントを優遇していないと言えるだろうか? もしそうならば、わたしは自分の帽子を食ってやってもいい。
さいごに、メディア企業にとってグーグルやブロガーほどの愛すべき友はいないはずだ。たとえばグーグルが「ライフ・マガジン」と提携しているのを思い浮かべてみよう。グーグルは古いコンテントにかけられた鍵を解き放つことをやってみせた。メディア企業は、デジタル広告が事実上効果を出していないような時代に、収益化の助けをしてくれるのだから、グーグルが必要なはずだ。さらにいえば、リンクの力が覇権を握る世界においてメディア企業は、トラフィックや信頼などを与えてくれるブロガーを必要としている。「テクノラティ」が出している最新のデータを見たらいい
グーグルが中立ならば、それはよいグーグルだ。グーグルはこれからも、ほかのところから固定読者、言及、リンクを集めることができた、もっとも高い品質の情報を、優遇するようなアルゴリズムを提供しつづけるだろう。メディア企業がグーグルにブロガーを優遇してほしくないのなら、リンクをするのをやめて、"no follow"タグをつけたらどうか? そうすることで、そのうちグーグルからの甘い汁は途絶えていくだろう。だが、ほとんどの人は注いでしまったジンをボトルに戻すには遅すぎることに気づいているのではないかとわたしは思う。
この言い分は実を結ばずに終わるのだろう。それがあるべきかたちなのだ。