共同投資者

(This is a translated version of "A VC" blog post. Thanks to Fred Wilson.)
ヴェンチャ取引のほとんどは、VC法人ひとつだけの参加ということはない。わたしたちの産業特有の言葉では、「共同投資者」と呼んでいる。ヴェンチャ法人の集団を、シンディケートと呼ぶ。このシンディケートがどのように集まるかは、科学というよりも人文で明かされるものだ。
ある例では、最初の法人が自分たちだけで第1ラウンドをやって、2番目の法人が第2ラウンドで加わり、3番目の法人が第3ラウンドで加わるという具合に、シンディケートがラウンドごとにだんだん形成される。これはツイッターのシンディケートが形成されたときのやり方だ。わたしたちの法人、ユニオン・スクエア・ヴェンチャーズが第1ラウンドを引っぱり、そこに有名なエンジェルが数人参加した。スパーク・キャピタルが第2ラウンドを引っぱり、シンディケートに加わった。第3ラウンド、というのがつい最近満了したが、ここでベンチマークやIVPがシンディケートに加わった。
ある例では、2つの法人が共同で第1ラウンドをやって、3番目の法人が第2ラウンドで加わるといった具合になる。これは「ジンガ」のシンディケートが形成されたときのやり方だ。「ファンドリイ・グループ」のブラッド・フェルドがわたしと共同で第1ラウンドを引っぱり、「アヴァロン」のリッチ・レヴァドフが第2ラウンドを引っぱり、「クライナー・パーキンズ」のビング・ゴードンが第3ラウンドを引っぱり、そこにIVPのサンディ・ミラーが加わった。
気がついただろうか、わたしはジンガの話をするのに、パートナーの名前をまずはじめに出した。そこに参加する個人パートナーは、とても大事だ。VCは法人で仕事をしているから、法人のほうに名声が行くが、じっさい仕事をするとなれば相手は個人のVCなので、あなたが一緒に仕事をするのはまずなによりもその人であり、法人は二の次である。シンディケートに集まるというとき、それを忘れちゃいけない。わたしがこれまでに見てきた、アントレプレナーが失敗する例には、偉大な法人を投資者の筆頭に選び、取締役会にどうにも役立たずなパートナーを招いてしまったというのがいくつもある。それはいつ起きてもおかしくないことだ。
ちょっとVCを一堂に集める話に戻そう。これはとても油断のならない過程があって、リスクがつきものだ。問題を解決するいちばんの方法は、一緒になにかを成功させたことのあるVCたちを入れて仕事をすることだ。
わたしのキャリアでとくに頻繁に一緒に仕事をしてきたVCは5人か10人くらいだと思うけれど、その人たちのことはよく知っているし、一緒に仕事をするのが楽しい。その人がどういう人か知るのはむずかしいことではないし、わたしはそうやって多くの場面でペアを組んできた。そのリストは時間を経てだんだん増え、変わってきた。「スパーク・キャピタル」のバイジャン・サベットはほんの数年前にヴェンチャ・キャピタルに入ってきたばかりだが、彼と一緒にわたしはふたつほど取引を成功させていて、彼はほぼ確実に、このリストの上位に入る。
じっさい、バイジャンはまったく同じトピックについて先日、「ザ・ディール」のマーク・キャスリーン・フリンからインタヴューを受けている。そのトピックについて彼が語ったことを載せる。
このインタヴューでは、すばらしい発言がふたつある。
「わたしたちはまず、お互い好きな相手とやります」
それと、
「VCをクビにすることはできません」
というわけで締めくくりに、シンディケートを選ぶなら、注意深く選ぶこと、そのVCたちが「お互い好きな相手」であるか確かめること、それから法人よりも個人を大事にすること。そしていちばん大事なのは、VCがあなたを調べるのと同じように、あなたもVCを調べること。これは大事な選択で、いったん決めてしまえばまず変えることなどはできないのだ。