あなたのオンラインの庭を育てよう

(This is a translated version of "Taking the Brand Online" blog post. Thanks to John Battelle.)
90年代後半にわたしが講演をやってくれないかと頼まれることが多かったのは、「ヴェリイ・ラージ・ビジネシーズ」だった。これは営業部門の役員をハイエンドのリゾートでひっそりと行なわれる「会長たちのサークル」に招くというものだ。わたしはそこに飛び入りして、重役たちと夕食をともにして、翌朝の講演でインターネットがその産業に与える影響について話した。それが保険会社相手であろうとメディア複合企業相手であろうと、わたしのメッセージはいつも同じだった。ウェブはあなたがたのビジネスをいったん変えてしまったらもうあとに戻れない、だからこの新しいテクノロジについては重点的に理解しておいたほうがいい、というものだ。
といって、これは10年前の話だと念を押しておこう。転換期の10年、ラージ・ビジネスはウェブについて学んだだけでなく、それをすっかり呑み込んでしまった。オンラインで自分のブランドがどのような言われ方をされるかによって生死を分けることが、はっきりわかったのだ。
ではスモール・ビジネスは? それはべつの話だ。すべての「フォーチュン500」(そしてほぼすべての「フォーチュン5000」)企業が例外なく洗練されたウェブサイトをもっている一方で、マイケルによるとスモール・ビジネスでそうしているのは42%だけだという。そうしている企業のうち、わたしの(いろいろな逸話があるのだが)経験ではごく控えめに言って、その辺にあるSMBサイトの大半はとりわけ自分のブランドに密接に連携できているとは言えなかった。だいたいの場合、それは動きのないブローチュアであり、そこには人柄やら人生やらが見えてこなかったのだ。
なんということだ! アントレプレナーの楽観的な世界観を紡いでいけば、それだけで絶好の機会になるではないか!
スモール・ビジネス・ウェブサイトの大半はあまりうまく行っているとは言えない。ということは、あなたには本当の意味で抜きん出るチャンスがあるということだ。そうすれば、大きな競争優位をもつことになるだろう。
現時点では、あなたはきっと納得のいかない顔でこう言うだろう。「ええ、そうですね。でも数か月でうまく当てられそうなものをつくろうとしたら、数千ドルは必要でしょうし、そのあとは手を入れるたびにいちいち払うことになるでしょう」
それは当たっていない。スモール・ビジネスとウェブで、なにかはじめるのに最善の方法とは、小さくはじめて、はじめからソーシャルにすることだ。あなたのビジネスは、出入り業者、クライアント、同僚、仕事仲間とのあいだの人間関係のネットワークだ。だからあなたはウェブサイトの海をどう渡っていこうかと心配するよりも、まずはソーシャルの海に飛び込んでみたらいい。
ステップ1: 「ワードプレス」や「ムーヴァブルタイプ」に向かって、ブログをはじめるのにはどうすればよいか、小1時間ほどつぎ込んで勉強してみる。つぎにあなたのビジネスについて語ってみる。話せないことがあったり、文章を書くのが得意でないなら、誰でもいいから仕事仲間でも、配偶者でも、友達でも連れてくればいい。それでもわたしはあなたのことを信じよう--あなたがこのビジネスをはじめたのだ。あなたは一日中でもそれについて話せることだろう。オンラインでその話をしてみよう。よいことというのは、自分で起こせるものだ。
ステップ2: ソーシャル・サーヴィスにちょっと手を伸ばして、あなたのブログにそれを統合しよう。そうしたらもういっぺん、小1時間ほどつぎ込んでツイッターや、フェースブックのことも勉強してみよう。自分の分身がそこにでき上がってきたなと思ったら、プラグインというシンプルなツールをつかって、ブログにも組み込んでしまえばいい。さあ、これであなたも自分のビジネスの周りにソーシャル・エコシステムをつくりあげたことになる。
ステップ3: あなたのビジネスについて(あなたの競合についてでもいいよ!)多くの人が話し合う場所を見つけよう。そしてそこに参加しよう。「イェルプ」「ヤフー・ローカル」など同様のサーヴィスでどんなことが話されているか知らないのなら、あなたは自分で自分のサーヴィスに損をさせていることになる。この手のサーヴィスにある、反応を返したい人のためのツールに正面から向き合っていないのなら、あなたはただのおっちょこちょいだ。
ステップ4: イーメールを統合しよう。ありとあらゆる機会を生かして、あなたは顧客、出入り業者、同僚からイーメール・アドレスを集めたいはずだ。イーメール・アドレスはオンラインの世界の名刺だ。ただしく使えば、あなたのオンライン・ビジネスのエコシステムを潤すための鍵となるだろう。
ステップ5: あなたのエコシステムを育てよう。ウェブの分身は、ビジネスと同じく、世話やエサやりを必要とする生き物なのだ。毎日そうする習慣をつけよう。ブログ投稿を行ない、イーメール、ツイッターフェースブックを通じてその投稿を宣伝しよう。イェルプのようなサーヴィスから集まる抗議や要望に返事をかえし、あなたがどう返事したかをあなた自身のエコシステムにも伝えておこう。できれば毎週でも、ワードプレスやムーヴァブル・タイプにはたくさんの機能があって、幅広いサーヴィスやツールを選ぶことができるのだから、それを新しく採り入れていこう。
さいごに、あなたのビジネスが検索結果でどうなっているか見ておこう。最初はあなたの会社はウェブの分身などいないも同然だ。だが投稿をはじめたなら、人にリンクしたり、ツイッターフェースブックをつかってその投稿を増幅したりすればいい。きっとすばらしいことが起こるだろう。あなたの会社は動的な検索ではだんだんとランクを上げていくことだろう。そうなれば、あなたのビジネスが新しいビジネスをつれてくるというわけだ。
最初はたいへんだろう。だが覚えていてほしいのは、わたしたちはみんなソーシャルな生き物なのだ。しばらくすれば、あなたのオンラインの庭を育てることが、たんにビジネスに役立つだけではなく、楽しみにもなるだろう。