創業者に会社を売り戻す

(This is a translated version of "A VC" blog post. Thanks to Fred Wilson.)
今朝NYタイムズのブラッド・ストーンが書いた記事で、ニクラスとジェイナスが「スカイプ」を「イーベイ」から買い戻すという話が出ていて、興味深く読んだ。これはすばらしいアイディアだし、うまく行ってくれたらと思う。
2005年にイーベイがスカイプを買収したとき、わたしはイーベイがほんとうにスカイプにとって正しい居場所なのだろうかと思った。もうひとつ思ったのは、その値段は正しい範囲にあるということだ。最初のほうは正しかったが、2番目のほうはどうも違うと思った。振り返ってみれば、イーベイはたくさん払いすぎて、あまり戦略的とはいえない資産を買ってしまったのだろう。
それでイーベイは聞くところによると、スカイプを17億ドルから20億ドルで売り払おうと思っているらしく、スカイプの創業者たちが10億ドルをキャッシュで払って(たぶん自腹も切るのだろう)それにイーベイからの分割払い契約をとりつけたうえで商談をまとめようとしているらしい。
ブラッドがタイムズの記事で言うには、スカイプは第4四半期に1億4500万ドルの売り上げを出したという。それがほんとうだと仮定して、スカイプは2009年にそれなりの成長率で進んでいれば、7億ドルから8億ドルの売り上げを出すことになる。同年で8億ドルの売り上げを出しているビジネスにとって、17億ドルから20億ドルというのはふさわしい値段なのだろうか? わたしにはわからないが、そのビジネスがどのくらい利益を出すかによるだろう。
スカイプはすばらしい「フリーミアム」ビジネス・モデルだというのをわたしはよく知っている。スカイプの通話のほとんどは無料で、それはスカイプ・ユーザ同士の通話だからだ。だがその一部は有料で、テレジオグラフィによると、いまや国際電話の8%がスカイプによるものだという。スカイプが今年8億ドルの売り上げを出すビジネスだとして、国際電話市場の10%以上をとることになれば、17億ドルから20億ドルというのは、かなり安い値段だと言える。
だがこの話のいちばんいいところは、その資産をつくり、築き上げたアントレプレナーたちの手に戻ってくるということだ。アップルにも、ジョブズが会社の経営権に返り咲いたときの話があったし、ニクラスとジェイナスもスカイプについてなにか強力な戦略計画がなければこのようなことは考えなかっただろうと思う。
このことはブログでもなんども言ってきたが、もういちど言おう。大企業はえてして、アントレプレナーのつくった会社を買い取ると、だめにしてしまう。スカイプのような会社は、できるかぎり独立したまま創業者によって運営されるのがなにより一番なのだ。スカイプなら、それがじゅうぶん可能なように思える。それはうれしいことだ。