あなた自身のメディアを手に入れる

(This is a translated version of "A VC" blog post. Thanks to Fred Wilson.)
子供の春休みの2週目(先週のことだ)を、ロス・アンジェルスで仕事と家族の時間を過ごすことにした。ゴサム・ギャルの兄と義理の姉がLAでふたりのかわいい娘と一緒に住んでいて、かれらと一緒に過ごすのが、いつもわたしの楽しみだ。こんどの旅行では、密度の高い家族の時間をすごしただけでなく、ゴサム・ギャルの兄のジェリーから、「アーンド・メディア」についてひとついいことを教えてもらった。
「アーンド・メディア」とは、買うものではなく、苦労して手に入れるものだ。PRはアーンド・メディアのいい例だ。クチコミというのはまた別だ。アーンド・メディアはいつの時代もあった。だがこのごろではそれが、インターネットやソーシャル・メディアのおかげでずっとかんたんになったので、あなたのブランド、製品、あなた自身のためのメディアを手に入れることができる。
この5年間で、わたしはけっこうなメディアを手に入れた。「グーグル・アナリティクス」で、この30日間でこのブログに12万人が来ていたこと、そのうち4万5000人がこのブログのアドレスを直接タイプして来ていたこと、そして6万人がリンクをたどって来ていたことがわかった。2万5000人がこのブログをおもしろいと思ってRSSで購読してくれている。そして1万7500人がわたしの投稿をツイッターでフォロウすることを選んでくれている。
それはけっこうなメディアで、わたしは毎日なにか意味のあることを考えて、このブログやツイッターやタンブラーなど、ウェブのどこかで投稿している。もしわたしがそれを止めれば、メディアはだんだんとわたしの手から離れ、わたし以外に毎日せっせとメディアをつくっている人の手へと渡っていくことだろう。
火曜日の朝行われる「アド・エージ・デジタル・コンファレンス」で、わたしはキイノート講演をひとつやる予定だ。その日程表には、わたしが話す内容として「ギャップを埋める: ヴェンチャ・キャピタリストやマーケッターはどのように有意義な人間関係やイノヴェーションを生み出すか」と書いてある。これが自分の話す内容として題名になった経緯はよく知らないが、ジェリーと1週間すごしたあとでは、わたしの話す内容はそれと違ってしまった。わたしはアーンド・メディアについて話すつもりで、それがどのようにできるか、どうしてそれがマーケッターにとってすぐれた戦略になりうるかを話す。
LAに降り立ったとき、ジェリー(つい最近ツイッターブロギングをはじめたばかりだ)が「ツイッターkogibbqをフォロウするといいよ」と言ってくれた。それでわたしのブラックベリイを取り出して、「follow kogibbq」とタイプし、ツイッターに送信した。ほんの少ししてから、わたしの電話にこのようなツイートが届いた。

ROJA: 12-3PM@Media Park-12312 W Olympic Blvd 6:30-8:30PM@Eagle Rock-4372 Eagle Rock Blvd;10PM-2AM@The Brig-Abbot Kinney and Palm in Venice

それを見てわたしは「天才だ」と思った。
そう、KogiBBQとは、韓国バーベキューのタコスをロス・アンジェルス中を2台で回って売るトラックのことだ。そのへんを運転してまわり、どこに行くかをツイッターで知らせるのだ。これをツイッターでフォローイングしている人は1万3500人にのぼった。右に載せた写真は、「ヴェルデ」トラックが、とあるナイトクラブの横に乗りつけた場面だ。夜のシフトでよく来るそうだ。

KogiBBQはツイッターだけでなく、フリッカのストリームにも写真を載せているし、ブログでも生唾が湧きそうな写真が、リンクをクリックすれば出てくる
KogiBBQはまったくのソーシャル・メディアだ。LAにいるあいだkogibbqについて数回ツイッターしたところ、ツイート・バックしてくれた人がいて、マイク・プラサッドと話したらいいと勧めてくれた。わたしは言われたとおりにした。
マイクによると、KogiBBQはマーク・マングエラと、一流レストランから来た数人の料理人からなるチームがつくったものらしい。そのアイディアの出所は、市街の通りに並ぶ屋台が発する熱気と品質にかれらが夢中になり、韓国バーベキュー・タコスを売るトラックをやろうという話になったという。
かれらに足りなかったものは、クチコミを一気に広げ、ブランドを築くための方法だった。かれらはマイクと会って、かれはソーシャル・メディアというのがあるといい、かれらの気に入った。そのブログ、写真、ツイート、そしてなによりもタコスが極めつけなのだ。KogiBBQは大ヒットし、トラックを横づけしたクラブの売り上げが2倍に増えるほどだった。行列の長さはうなぎ登りに延びていった。たったひとつのタコスのために1時間以上待つ人も多いという。
あなたがたにこの話をしたかったのは、アーンド・メディアは強力なだけでなく無料であるからだ。だがそうするためにはまず手に入れる必要がある。KogiBBQは毎日フリッカに投稿し、一日中ツイートしつづけている。ツイートされればそれに返事もかえす。「アーンド・メディア」を手に入れたあとも、手を休めないのだ。
これはわたしが火曜日の朝アーンド・メディアについて話すときに取り上げようと考えている挿話のひとつだ。明日にも原稿に取りかかろうと考えていて、いつものとおり、それが原稿としてまとまれば、すぐに投稿するつもりだ。それをよりよくするためにみんなが助けてくれると思っている。