ボストン・グローブ、シカゴ・サン・タイムズが今年廃止される可能性

(This is a translated version of "Don Dodge on The Next Big Thing" blog post. Thanks to Don Dodge.)
新聞は大きな問題に巻き込まれている。ルパート・マードックはグーグルに問題があると考えているようだ。「このままグーグルにわれわれの著作権をそっくり明け渡してしまうのか?」とニューズ・コーポレーション最高経営責任者は、木曜日ワシントンD.C.で開かれたケーブル産業の会合で言った。「その答えは」とマードックは言う。「ありがとう、でも結構です」フレッド・ウィルソンはこれに対し、こう答えているグーグルは新聞配達なのだ。グーグルはニューズスタンドなのだ。ルパートやほかの新聞オーナーが、グーグルのインデックスにはコンテントを載せないと決め込むのなら、本来行き場があったはずのコンテントがたくさん、行き場を失うことになる。
「シアトル・ポスト・インテリジェンサ」や「クリスチャン・サイエンス・モニタ」は印刷版の新聞紙を廃止したが、オンライン版はつづけている。「ロッキイ・マウンテン・ニューズ」は完全に廃止してしまった。「ボストン・グローブ」は2000万ドルのコスト削減に組合が合意するのでないかぎり廃止される見込みだ。「シカゴ・サン・タイムズ」など58の新聞は(持ち株会社がこれを保有している)先週倒産を申請した。「ロス・アンジェルス・タイムズ」と「シカゴ・トリビューン」はやはり倒産申請中だ。「ワシントン・ポスト」と「ニュー・ヨーク・タイムズ」はレイオフとコスト削減の計画を告知した。「サン・フランシスコ・クロニクル」は昨年5000万ドル分を減らし、先月150人の人員削減とコスト削減に組合が合意した。ブログ「ペーパー・カッツ」のまとめによると、合衆国の新聞は2008年に15,866人のレイオフを実施し、2009年は7,979人を見込んでいるという。
新聞はこの10年間で損失を出し、市場シェアを失いつづけてきた。業種広告や求人広告は新聞にとって巨大な収益源だったが、オンラインのサイト「クレイグズリスト」「モンスター・コム」などに多くが移行してしまった。ニューズは数百からなるオンラインのサイトで無料で見られる。そこへ加えて、こんどの深刻な景気悪化が広告予算を削減させ、数多くの新聞を窮地に追いこんだ。
新聞はかつて、カネのなる木だった。大都市の新聞は、よその新聞が真似できないほどのスケールの財布を握っていた。ニュー・ヨーク・タイムズは1993年10月1日にボストン・グローブを11億ドルで買収した。「ハースト・コープ」は1999年にサン・フランシスコ・クロニクルを6億6000万ドルで買収した。それがいまやどちらの新聞も危機に瀕している。
テックミーム」はわたしにとって、朝読むテック・ニューズの新聞になっている。ほかにもたくさん、オンラインのニューズ・アグリゲータがあって、これが新聞、雑誌、ブログから記事を集めてきてくれる。大手の新聞やTVネットワークスはすべて、自前のウェブ・サイトをニューズのアップデートに利用している。
新聞はそれに対し、どうすればいいのか? 自分の原点に根ざすこと・・・地方ニューズだ。地方の政治、学校、スポーツ、ビジネス、行事は大型の国内ニューズにはどうしても出てこない。地元ニューズ、それこそ町内程度のニューズは、地元の人に書いてもらえば、地元の観客を引きつけることはできる。一部の新聞は毎日新聞を印刷するのを取りやめ、その代わりに平日2日と日曜版を印刷するようになった。こうすれば印刷や配達のコストが削減できる。かんたんな答えはどこにもない。
新聞のビジネス・モデルにまつわるカネの動きはいとも早く変わってしまった・・・それは大半の新聞がとても追いつけないほどの早さであった。ボストン・グローブ、シカゴ・サン・タイムズ、サン・フランシスコ・クロニクルが印刷から手を引くかもしれないというのは、なんとも信じがたいことである。だが、これこそが2009年における現実のゆくえなのだ。