デフォルトの行動とインターネット・オペレーティング・システム

(This is a translated version of "A VC" blog post. Thanks to Fred Wilson.)
インターネットでなにか探したいものがあるというとき、たいていの人はとくに考えることもなくグーグルに行く。
わたしがインターネットでなにか買いたいものがあるというとき、わたしのデフォルトの行動は、アマゾンに行って検索することだ。
わたしの子供たちがコンサートのチケットがほしいというとき、かれらはクレイグズリストに行ってチケット求むと投稿し、売り主を探す。
いま言ったようなのが「デフォルトの行動」だ。わたしたちはとくに考えることもなく、1秒で決めて行動している。
ティム・オライリイはインターネットをオペレーティング・システムだと言っている。ウェブ・サーヴィスはオペレーティング・システムに含まれる機能のひとつというわけだ。
そしてウェブでもっとも価値のあるビジネスは、インターネット・オペレーティング・システムのデフォルト機能としてもともとインストールされているかのように思えることがある。
実際はそうじゃない。かれらは何らかの手段でデフォルトの立場を手にしたのだ。たいていの場合は同様のサーヴィスよりもずっと優れていたからそうなったのだ。あるいは一部のケースでは、たんに真っ先にそこに行き、ネットワーク効果を築き上げたとか、新参者には太刀打ちできないほとのデータ資産を築き上げたとかいう場合もある。
それでも、ウェブ・サーヴィスがデフォルトの立場を手に入れたと言っても、それを堅持することのほうがずっと価値のあることなのだ。
デフォルトの立場は失われることもあるが、簡単にはそうならない。いちばんよくあるのは、新しいウェブ・サーヴィスがやってきて、機能の一部をはぎ取られるようにして侵食されるという場合だ。新参者によってすっかり置き換えられてしまうという場合は少ない。
もしグーグルがウェブに及ぼす力が衰えたら、わたしはそれがいつか来ると思っているが、それはマイクロソフトやほかの誰かがグーグルにとって代わってデフォルト検索サーヴィスとなるという形はとらないだろう。わたしたちが検索をしようと思う回数が少なくなるような、デフォルトの機能が出現するというかたちをとるだろう。
さて、このことからアントレプレナーやVCは、なにがわかるか? ひとつには、デフォルトのサーヴィスに正面切って太刀打ちしようと思わないこと。インターネット・オペレーティング・システムに含まれる新しいデフォルト機能になりうるサーヴィスを開発、あるいは資金調達すること。デフォルト機能のひとつになりそうな一手があるのなら、あなたの時間とエネルギーをすべてつぎ込んででもそのデフォルトの立場を手に入れ、固めること。収益化に取りかかるのはそのあとだ。それを堅持すること自体とてもタフなことで、それが達成できれば、そう簡単にはじき落とされるようなことはないからだ。