クロムを使っている人は?

(This is a translated version of "A VC" blog post. Thanks to Fred Wilson.)
グーグルがクロム・ブラウザをもとにしてリナックス・ベースでネットブック向けオペレーティング・システムをつくったというニューズは、テック産業に大きな反響をもたらしている。この話題については、いろいろなとらえ方がある。グーグル対マイクロソフト、グーグル対アップル、ネットブックの台頭、OSとしてのブラウザ、OS市場におけるフリーエコノミクス、などなど。
わたしはこれらの議論に対し、とくにつけ加えることはしない。このニューズが飛び込んできてからほぼ1日経ってしまったし、文字通り数百ものブログ投稿が出てきているからだ。だがわたしは「フェーク・スティーヴ・ジョブズ」の辛辣な言葉を読んで、その厚かましさにあきれつつも、楽しんでしまった。フェーク・スティーヴはクロムOSが「大きな事件ではない」理由を8つ挙げた。そのひとつはこのようなものだ。

その4。あなたがたはお気づきではないかもしれないが、誰もクロムを使っていない。正直、考えてごらんなさい。クロムを使っている人を知っていますか? ほんとうに? で、どうして誰もクロムを使っていないかわかりますか? クロムはクソだから。そのまま、クソだからだ。グーグルにはあれだけ頭脳が集まっているのだから、ちゃんとしたブラウザが作れると思ったでしょう? いや、モジラに集まるタダ働きの連中のほうがうまくやっているのだ。グーグルには作れない。まるで。グーグルが全力を尽くして、それで出来上がってきたものは? クロムだ。冗談だろ。

というわけで、これをきっかけにわたしはひとつ、クロムを使っている人はいただろうかと考えてみた。とっさに浮かんだのはここ、AVCのコミュニティだ。どのくらいだと思いますか、ここに集まるうち9%の人がクロムを使っている。クロムは第4位だ。このコミュニティではファイアフォックスが50%ほどで、次いでIEとサファリがだいたい18%ずつで、クロムは2倍の差をつけられている。この30日間の正確な数字は以下のとおりだ。

もちろん、この数字はグーグル・アナリティクスによるものだ。だがわたしはグーグルを信用することにして、とりあえずここでは話をややこしくしたくない。
それより興味深いのは、3年前にさかのぼって、このコミュニティにおけるブラウザの市場シェアがどうだったかだ
IEは63%
ファイアフォックスは28%
サファリは6%
ということは、たった3年で、このコミュニティのIE利用率は63%から18%まで落ち、ファイアフォックスは28%からほぼ50%まで伸び、サファリは6%から18%へと3倍になったわけだ。
では、クロムはいま10%を切っているが、3年もすれば、コミュニティの主要ブラウザになっていることも十分ありそうだ。ブラウザというのは、それほどに固定客をつなぎとめる力はないし、スイッチするためのコストは低い。といっても、わたしはファイアフォックスで使っている拡張機能を移植できるようになるまではクロムには変えないつもりだ。