自分自身をスパイする(続編)

(This is a translated version of "A VC" blog post. Thanks to Fred Wilson.)
この話題については2006年前半に投稿を書いて、その後も何度かそれについて考え直す機会があった。2006年、この分野ではスタートアップ活動にいったん急減速がかかっていた。この分野というのは「マイウェア」と呼ばれるもので、この10年の前半にスパイウェアの時期があったことへの反動だった。だがこの活動はうまく駆動力を維持できず、そこで働いていた人の多くは引き揚げていった。
だがわたしは引き揚げなかった。わたしはいまでも自分自身をスパイしていて、そのツールがそうできるかぎりにおいてその活動をすべての人に公開してきた。
わたしが最近聞いた音楽については、このページで見られる。
わたしが最近見たTVについては、このページで見られる。
そして、このウェブ・ページの右にあるサイドバーには、ブログローラがあって、わたしが最近読んだブログについて見られる。
わたしがこれをやっているのは、いくつか理由がある。第一になによりも、人前には出されることのない活動の記録の分野に関心があるからだ。ウェブ上で行なった活動の記録を公開することで、ウェブ・サーヴィスはいままで以上にわたしにとって有益なものとなるだろう、もっとよい使い勝手になるだろうとわたしは信じている。そしてなによりも、このデータ・セットを自分で管理できるようにしておきたいのだ。
いまやグーグルをはじめとしてさまざまなウェブ・サーヴィスがあふれていて、わたしに関するこの手のデータはかれらが一部であれ全部であれ、握っている。インターネットをプライヴェートにサーフィンしたいというアイディアは、出走しないでつまづく馬のようにわたしには思える。それよりも、わたしたちは自分のデータを自分で握り、それを編集し、アクセスしてきた人が誰で、どのような理由でやってきたのかわかるようになるべきだ。
ここにひとつ、小さいけれど、ためになる例を挙げよう。昨日、わたしは一晩中アイポッドをかけっぱなしにしていた。今朝アイポッドをシンクさせていたら、かけていた曲が全部、ラスト・エフエムに流されているのがわかった。そこでわたしはラスト・エフエムに行って、それを削除した。これがその様子だ。

ブログローラは、わたしが読んだブログを全部記録するために使っているものだが、ブログローラは一歩進んだ機能を採りいれ、特定のドメインごとにブラックリストに追加できるようになった。
もちろん、これをやっていても恥をかく可能性はある。先週だか先々週だか、この投稿を書くために「ゴウカー」を調べていたときの話だ。わたしはフレッシュボットのドメインブラックリストに追加したつもりでいたが、このドメインの無印だけしかブラックリストに追加していなかった。それでここに来る読者がからかいのイーメールを送ってきた。
わたしは思うのだが、このように恥をかく状況からユーザを守る方法はいくつもあるはずだ。第一になによりも、ほとんどの人はわたしのようにインターネットでなにを行なったかを公開したがらない。一部の人はそうだが、ほとんどの人はそうではない。だがその人たちも、活動を自分で見たい、編集したい、保護したいとは思うもので、もしかれらがウェブ・サーヴィスとフィードを共有することができれば、結果としてよりよいサーヴィスが出来上がるのだ。
たとえばfredsactivity.xmlのようなデータ・フィードがあって、ウェブ上で保存されていて、それをウェブ・サーヴィスと共有することがあったらどうだろう。わたしならアマゾンにそれを提供して、よりよいレコメンデーションを受け取るだろう。わたしならグーグル・リーダにそれを提供して、これから読みたいおもしろいブログを教えてもらうだろう。わたしならツイッターにそれを提供して、フォロウしたい相手の人のよりよいレコメンデーションを受け取るだろう。わたしならグーグルにそれを提供して、よりよい検索結果を受け取るだろう。
わたしはいまでも、これは実現するだろうと思っている。数年前にこの手の活動に急減速がかかったのは無理もないことだったが、でもそれは一時的な中断にすぎなかったし、インターネット・ユーザの主流は気持の準備ができていなかったという事実によるものだとわたしは思っている。あるいはまだ気持の準備はできていないのかもしれない。だがわたしはもうできている。あなたがたの中にも誰か、自分もそうだという人もいるのではないかと思う。