最低限の共通要素を忘れてはいけない

(This is a translated version of "A VC" blog post. Thanks to Fred Wilson.)
モバイル・アップスは長い期間にわたるビジネスとなるのか、あるいはモバイル端末の上で動作するウェブ・アップスがいちばんの勝者となるのか、という議論が最近あるようだ。これは議論しておいてよい大事なことだし、わたしもモバイル・ウェブ・アップスのほうが好きだが、現在のモバイル・テクノロジとその接続状況をみると、短期的にはモバイル・アップがやはり好まれるのだろう。
だがこの議論をするにあたって見過ごされやすいのは、そこにある最低限の共通要素、つまりSMSである(あるいはメインストリームではテキスティングと呼ばれている)。
ツイッターが標準でSMSを土台にしていることは、成功したきっかけの大事な一部であるとわたしは信じている。140文字の制限は、SMSの160文字の制限に影響されているし、このサーヴィスの最初のデザインは、SMS対応をそのシステム要件のほぼ筆頭に置いていた。ほかの対抗サーヴィスは、たとえばフェースブックもそうだが、ツイッターと同じようなかたちでは標準でSMSを土台にはしていない。
もちろん、ツイッターフェースブックなどのウェブ・サーヴィスにアクセスする人の多くはモバイル・ウェブ・インタフェースやアップスをつかっている。現在のパーセンテージについてはよく知らないが、ツイッターのアップデートの15パーセント未満はSMSからのものだったと思う。それから、SMS経由のフォロウはやはり比較的少なかった。
だがモバイル・ウェブ・サーヴィスを商用化する取っ掛かりの時期には、これがとくに大事なことだとわたしは思う。SMSのインタフェースならかんたんですぐできるからだ。潜在的なユーザがそのサーヴィスの価値を、ダウンロードしたりする必要なしに見定めることができる。そしてモバイル・アップやモバイル・ウェブ・ページをつかうよりもテキスト・メッセージ送信のほうがやはり早いのだ。
それに登録の使い勝手もSMS経由のほうがかんたんかもしれない。ツイッターの最初のヴァージョンを開発したジャック・ドーシイは昨年だか一昨年だかわたしに、知り合いをツイッターにサインアップさせるいちばんかんたんな方法を教えてくれた。かれはこう言った。「友達をツイッターに呼んで来たかったら、40404宛に『follow fredwilson』と送信するように言うことですよ」これを知らないという人のために言っておくと、40404というのはツイッターの合衆国内でのショートコードである。わたしはそれからというもの、ジャックの方法を何十回も使ってきた。
わたしは最近フォースクエアをプレイしていて、そのことは先週もブログに書いた。わたしはほとんどの場合、SMS経由でチェックインしている。フォースクエアをプレイする人の多くはそれができることを知らない。これは早いしかんたんだ。アイフォン・アップを起動させてチェックインするよりもずっと早いのだ。
フォースクエアにSMS経由でサイン・アップできるかは知らない(ツイッターではできるのだが)。だがもしそうできたらならすばらしいことだと思う。たとえばあなたが友達と夕食を食べていて、席についたまま、SMS経由でフォースクエアにチェックインできたら、どうだろうか。あなたの友達はなにをしているのか知りたがるだろう。そうしたらあなたは友達にそれを見せてやれば、かれらも同じようにするかもしれない。それがヴァイラリティ(伝染)というものだし、友達が友達にそれを教えるというのは、モバイル・ウェブ・アップスが広がって行くうえでいちばんの方法のひとつなのだ。
本格的なモバイル・ウェブ・サーヴィスではモバイル・アップスを起動する必要があったり、すぐれたモバイル・ウェブ・インタフェースは一過性でない没頭を呼び込むものであるのはたしかだが、シンプルでかんたんで早い、SMSのインタフェースを提供しておくといいのもたしかだ。それは最低限の共通要素であり、どの携帯電話でも使えるものであり、ユーザ数をしっかり確立するのにも役立つだろう。