クイッターなる人たち

  • Quitters (August 29, 2009 Fred Wilson)

(This is a translated version of "A VC" blog post. Thanks to Fred Wilson.)
今週末の「ザ・ニュー・ヨーク・タイムズ・マガジン」に「フェースブックからの移住者」という短い記事が載っていた。そのなかで筆者ヴァージニア・ヘファナンフェースブックをやめていく人たちについて挿話をいくつか挙げている。たしかにフェースブックをやめていく人たちはたくさんいるだろうと思う。
だがつい最近のコムスコアによる統計では、べつのことが伝わってくる。

2009年7月、フェースブックを訪問した人は全世界で3億7000万人近くとなり、これは2008年7月とくらべ155%の上昇であった。フェースブックは世界規模の巨大勢力である。グーグル、マイクロソフト、ヤフーについで4番目に多くの人を集めるウェブサイトなのだ。
このことをきっかけに、いつか読んだ「ツイッター・クイッター」なる人たちのことをわたしは思い出した。じっさい、多くの人はツイッターをやめている。非常に多くの人だ。だがコムスコアが出した7月のツイッターの統計結果はこのようなものだった。

2009年7月、ツイッターを訪問した人は全世界で約5200万人となり、これは2008年7月とくらべ1880%の上昇であった。コムスコアによれば、ツイッターは世界で47番目に多くの人を集めるウェブサイトだという。
要はこういうことだ。このような変動はオンライン・メディア、とくにソーシャル・メディアにおいてはそもそも組み込まれたことなのだ。多くの人が入ったり出て行ったりする。そこにとどまる人もいれば、とどまらない人もいる。クイッターなる人たちの話はたしかにそのとおりだろうが、そこには全体の展望が欠けている。それよりずっとずっと多くの人たちが、このサーヴィスを毎日利用しているのだ。
もちろん、フェースブックツイッターなどのウェブ・サーヴィスはなぜ多くの人がそのサーヴィスをやめていくのか、しっかりと注目していくべきだし、その課題と取り組むべきだろう。それが特別にすぐれたサーヴィスならば、時間とともにこういった変動は減っていくものだ。正確な数字についてはわからないが、わたしたちが最初にツイッターに投資した時点では、はじめてツイッターを利用した人のうち、ほんの10%程度しかそこにとどまらなかったと思う。いまではこの割合はずっと高くなっているし、だからこそサーヴィスは急速に成長しているのだ。
だからあなたがこの手のクイッターの人たちの話を読んだときは、多少割り引いて読み取ってほしい。それから大事なことは、同時に全体の展望も見ておくことである。それらはかなり違って見えることもあるのだ。
情報開示:知らない人のために言っておくと、わたしたちの法人はツイッターの投資者であり、わたしはこの会社の取締役会に名を載せている。