スタートアップの世界でこんなにいい取引の話はない

(This is a translated version of "A VC" blog post. Thanks to Fred Wilson.)
サラ・レーシイがテッククランチにポール・グレアムとYコンビネータについて投稿を載せている。この投稿のなかで、彼女はこう言っている。

わたしはこれまで、ポール・グレアムYコンビネータに対し、ちょっときつすぎたかもしれない。といっても、彼が若いアントレプレナーに対しすぐれたメンターでなかったと思っているわけではなくて、彼はそうだった。でも、受け渡さなければいけない株はちょっと多すぎるし、Yコンビネータの生んだ会社にはでっかく当てたといえそうなものが見当たらない。

わたしはこれを読んですぐ、コメント欄へ行き、こう書いた。

彼がYCの生んだ会社に対し行なったことを考えれば、それは渡す分の株が多すぎるとは言えないだろう。現に、スタートアップの世界ではこんなにいい話はよそにないと思う。

わたしたちの法人はYCの支援を受けた会社「ディスカス」と「ヘイザップ」の2つに投資をしていて、これからも投資先を増やしたいと思っている。わたしたちはYコンビネータがまだはじまったばかりの頃から発表会には参加していて、ポールとジェシカの行なっていること、その方法についてはすぐ間近で見てきた。
25,000ドルで6%分の株を渡すというのは、そのビジネスを総額500,000ドル以下で評価するということだから悪い取引だとあなたは言うかもしれない。だがそれが当てはまるのは、Yコンビネータから受け取るものが25,000ドルだけだった場合だけである。
現金は、Yコンビネータが評価の提案として差し出すもののなかでは、もっとも小さな部分なのだ。わたしはこれまでにYコンビネータの支援を受けたアントレプレナーに何十人も会ってきた。その誰もがきまって、その経験を通じてスタートアップのプロセスに必要な、実にすぐれた考え方を身につけて出てくる。ポールとジェシカから学んだ大事な信念を身につけているのだ。ムダのない体で、やるべきことに注力している。かれらはたいていの場合強い技術チームを組んでいて、意味のある課題に取り組んでいる。
そしてなによりも、かれらはYコンビネータを「お墨付きの紋章」として身につけ、ポールとジェシカが次のラウンドの資金調達に踏み切ろうという気にさせるのだ。
なにもかもを褒めようとしているのではないが、このことは言えるだろう。それは25,000ドルの数倍もの価値があるし、スタートアップの世界ではこんなにいい話はよそにない。
だがポールとジェシカがスタートアップの世界に対し行なってきた、もっともよいこととは、それにならって後追いする人たちを呼び起こしたことではないか。具体的に誰かとは、いまわたしは飛行機に乗ろうとしているところなので、すぐには言えないが、すくなくとも半ダースほどは、Yコンビネータのモデルをある程度は後追いしている優良プログラムがあるだろう。ということは、これらのプログラムから出てきたアントレプレナーを毎年数百人は生み出しているということになる。これはすごい数だし、大きな変化を生み出している。その会社のなかからIPOを実現したものはまだないかもしれないが、そのうちに実現することだろう。あとは時間の問題だ。