誰がエグジットの時期を決めるのか?

(This is a translated version of "A VC" blog post. Thanks to Fred Wilson.)
「37シグナルズ」ブログにジェーソン・フリードが書いた投稿で、彼は「ミント」の「イントゥーイット」への売却はいくつもの理由で悪い決断だったと言い、ミントの背後についていたVCがそれを強制したのだと述べている。このことから、「ザッポス」がアマゾンにやはり売却したときにも同様な議論があったことを思い出した。
わたしはこの投稿に、コメントを書き込んだ。わたしは内部情報を知らないが、VCが身売りを強制したという見方はかなり疑わしい、と述べた。
だがこれも、エグジットする時期を誰が決めているのか、話し合ってみるのにはいい機会だ。わたしが長年かけて学んできたルールをここに挙げてみよう。
1) 創業者と経営陣が売却したいと思ったときは、VCはそれに同調するべきだ。というのは、売却を妨害し、創業者と経営陣を怒らせたり不愉快にさせながらビジネスをつづけるというのはよくない結末だからだ。
2) VCがエグジットの価格や条件に意見することはよくある。だがエグジットそのものをVCが強く要求するということは、創業者がビジネスをつづけようと活動しているときにはほとんどないことだ。
3) 会社が非常にうまく行っているときは、投資者が売却を望むことは稀である。VCはファンドで調達したカネを数少ない投資先に集中してつぎ込んでいる。その会社がその中に入っている場合、VCはあまり早いエグジットを望まないものだ。
4) 創業者がそのビジネスにおけるステークの大部分を握っていて経営に関わっている場合、創業者が売却とそのプロセスへの決定権を強く要求するということはよくあることで、そこに投資者や取締役会からの意見が含まれるということもよくある。
5) 創業者がビジネスに関わっておらず、経営陣がVCから雇われていて、なおかつVCがビジネスの実権を握っている場合は、投資者が売却のプロセスと売却の決断を強く要求することはよくある。
6) 会社があまりうまく行っていない場合、売却の決断はVCから強制されるということがよくある。
もちろん、どんなルールでもそうだが、その時と場合によって例外はある。だがエグジットを見て判断しようというときは、このルールからデータを読み解き、そこでなにが起こったのか、誰が決断を下したのか、誰がそのプロセスを主導したのかをおおまかに予測してみることもできるだろう。