「これだけは保有させろ」と言い張るのはたわごと

(This is a translated version of "A VC" blog post. Thanks to Fred Wilson.)
この数か月、何人ものVCたちが「これだけは保有させろ」と、具体的な数字も含めて発言するのをわたしは耳にしてきた。よく出てくる数字が20パーセントで、あるいは30パーセントという場合もよくある。昨日わたしはある人から、44パーセントは保有させろと言い張るVCがいたという話を聞いた。そいつはどこの馬の骨なんだ、とわたしは言わずにいられなかった。
一部のVCによるこのような振る舞いは生産的とはいえない。これについては前にも言ったが、もういちど言おう。ユニオン・スクエア・ヴェンチャーズでは、ポートフォリオ会社とその立役者であるアントレプレナーからの希望に、われわれの希望を合わせている。
この「希望」というのはただの欲である。わたしたちはとくに具体的なパーセンテージを保有しなければとは言わない。ただ保有したい、というだけである。
グーグルの株のうち、クライナー・パーキンズとセコイアはどのくらい保有していたか? 「そりゃあ、グーグルだからさ」と言うのはかんたんだ。だがかれらが投資を決めた時点では、それはこの10年で最大のヴェンチャー契約だったというのではない。
わたしたちは数年前にある会社の10パーセントを保有したが、それは結果としてわたしたちにとってベストの投資となった。いまわたしたちが保有しているのはその会社の10パーセント未満である。それでもわたしたちはこの投資によって、莫大なカネを得ることとなるだろう。たぶんそれは、わたしたちのファンドがこれまでに行なったどの投資よりも大きいだろう。それでも、保有する割合は、わたしたちのほかのどのポートフォリオよりも少ないのだ。
VCビジネスは、パイのいちばん大きな分け前をつかみ取るためのものではない。非常に大きなパイに、いくらかでも関わるためのものである。もしあなたがいちばん大きな分け前をどうしても取ろうとすれば、パイの分け前を決めるゲームからは外されることになるだろう。そうしてあなたは結局負けることとなる。
VCの人たちは自分のやりたいようにすればいいし、実際かれらはそうしている。だができれば、わたしの周りでは、「これだけは保有させろ」というような言葉は使わないでほしい。そういうのは「たわごとだ」とわたしは言いたいし、実際そうなったら面と向かってそう言うつもりだ。