集団という本能

(This is a translated version of "A VC" blog post. Thanks to Fred Wilson.)
投資家についていつも驚かされることのひとつに、投資家たちがいかに集団で動くかということがある。建設市場がきているとなれば、皆こぞって建設市場に投資をする。ドバイがオシャカになれば、皆こぞって建設市場から引き揚げていく。いまはリアルタイムがホットだ。皆こぞってリアルタイムに投資をする。
こういったホットなマネーのゲームが高度に流動性をもつ市場で行なわれているのは、もしそのパーティが終わる前に足抜けできるのならわからないでもない。だが流動性の低い市場では、この手の短期投資はほとんどうまくいかない。
そしてVCとは、もっとも流動性の低い市場にいる人たちだ。ヴェンチャー・ビジネスにおいて「ホットなマネー」のゲームをプレイして、飛びぬけたリターンを得ることができるとは、わたしには信じられない。集団で行動することでは、よくてせいぜいおこぼれに与るか、あるいはおこぼれももらえないかもしれない。
ヴェンチャー・ビジネスには2つ、うまくいくアプローチがあると思う。ひとつは、逆張りのアプローチである。皆がこぞってコンシューマのウェブ投資者となろうとしているのなら、ソフトウェア・アズ・ア・サーヴィス(エンタープライズ)に行く。マネーが集まっていないところへ行くのだ。
そうでなければ、皆がこぞって来る前に参入し、集団が次にとるであろう行動を予測する。これは実にむずかしい。あるいは、ある程度の期間継続してやろうと思ったら困難を極める。
だがこの2つのアプローチは両方とも、もしうまく執行することができれば飛びぬけたリターンを得ることができるだろうとわたしは信じている。
だが集団に後からついていくのは、よい投資成果を得るのにふさわしいレシピではない。それにもかかわらず、かなり多くの人がそうしている。だから彼らは集団と呼ばれるのだが。