国家政策とヴェンチャー・キャピタル

(This is a translated version of "A VC" blog post. Thanks to Fred Wilson.)
わたしは昨日ニュー・ヨーク・タイムズの「討論の部屋」欄に、ケン・オーレッタジョン・マーコフとともに載った。その第1部はこちらで、第2部はこちらだ。トピックはグーグルだった。グーグルは強くなりすぎているか、もしそうなら政府はどうするべきか。
わたしはテクノロジ界における、独占禁止法の取り組みについて、こう述べた。

わたしはテクノロジの市場に政府の介入があることをあまり好みません。テクノロジは急速に変化しており、10年間支配的な独占企業であっても、次の10年になれば衰退しつつある巨人となるからです。
わが国の政府は、イノヴェーションと新しいテクノロジの進展に適切な環境をつくりだすことに専念したらいいとわたしは思います。そうすれば、次のグーグルがどこからか現れ、ゲームを変える存在となるでしょう。移民法改正(スタートアップ・ヴィザ運動)だとか、特許法改正(ソフトウェア特許の削減)だとか、ネット中立性やオープンな周波数域といったことが、グーグルに独占禁止法にもとづいて立件することよりもずっと重要です。

これらのことを書いた後すぐ、わたしはもうひとつ、スタートアップ界に強く影響する国家政策問題があることに気づいた。
ウィリアム・カールトンが昨日このブログのコメント欄で指摘してくれたのだが、ドッド上院議員の金融システム改正法案には、スタートアップにとって多大な障害を及ぼす禁止事項が含まれているという。もし現状の草案が通れば、法案はこのような効果をもつだろう。
(1) 認定を受けた投資家の敷居が高くなる。
(2) 「認定を受けた」証券の募集販売について連邦政府の優先購入権が終了する。そうすると、州は該当する証券の募集販売を監視することを許可されたことになるだろう。これは1933年証券法における免責取引に該当していてもである。
わたしは証券を専門とする弁護士ではないので、この2つの点について、専門の弁護士がコメント欄に書き込みしてくれればいいなと思うが、この2点は両方とも間違った方向性のようにわたしには思われる。
エンジェル投資家による資金調達メカニズムは、おそらくスタートアップ界においてもっとも重要な資金調達メカニズムである。アントレプレナーのほとんどは、最初の投資をVCではなくエンジェルから受ける。もしスタートアップ界においてエンジェルからの資金量が低減されれば、プロジェクトを離陸させることのできるアントレプレナーの数も低減されることとなる。
というわけで、わたしたちはワシントンに向かって電話で働きかけるべきことがもうひとつできた。わたしはこのことを議員の人に電話で働きかけるつもりだ。あなたがたもそうしようと思ってくれるかもしれない。もし電話をかけられるのなら、スタートアップ・ヴィザ運動、ソフトウェア特許の削減、ネット中立性、オープンな周波数域について、支援が必要とわたしたちは望んでいることを伝えてほしい。いろいろと要求したいことはあるだろうと思う。だがこれらのことはとくに重要だし、もっと重要になっていくことだ。