人が一番、マシンは二番
- People First, Machines Second (December 29, 2009 Fred Wilson)
(This is a translated version of "A VC" blog post. Thanks to Fred Wilson.)
グーグルの「ページ・ランク」アルゴリズムがすばらしいのは、どのページが検索された言葉に対する最良の結果であるかをリアルの人の行動が決めるという仕組みをつくっていることだ。この行動というのを具体的に考えると、ウェブ・ページでハイパーリンクを張ることだろう。
たとえば「フレッド・ウィルソンについて詳しく知りたいのなら、彼のブログはここですよ」と書いた人がいれば、その行動はグーグルのマシンに、このブログが「フレッド・ウィルソン」の検索に対するよい検索結果であることを伝えることになる。
いつかマシンが十分に賢くなったら、人が合図を送らなくても済むようになるかもしれないが、いまのところマシンの知能の働き方は、グーグルがそうであるように「人が一番、マシンは二番」となっていると思う。
今日こんなことをわたしが考えている(そしてこうして書いている)きっかけとなったことは、今年末のミュージック・リストマニアのベストがあちこちで話題となっていたことである。
このブログで昨日までの3日間書いてきたことは、その例のひとつだし、いま現在もあちこちのブログで同じことが書かれているだろう。
わたしは2009年のトップ25曲の歌を選んで8tracks.comでプレイリスト作成した。そしてこのブログにそのプレイリストを貼り付けた。
これをやっているのはわたしだけではない。現時点では、8tracksに「2009年のベスト」とするプレイリストは141個出ている。リンクをクリックすれば、その全部を見ることができる。でも全部を聴き通すとしたら、気詰まりなことだろう。
そこで8tracksはこれらのプレイリストに含まれている人間の知能を利用して、興味深いことをやってくれた。マシンがこの全曲を読み込んで、プレイリストの「ベストのベスト」を作る仕掛けを提供してくれたのだ。2009年のベストのプレイリストから、もっとも人気のある曲を選び出すということもできるし、そのプレイリストが再生された回数で重み付けをしたり、それ以外のアルゴリズムで選ぶこともできる。わたしの言いたいことはシンプルだ。人間がこのような並べ替えのお膳立てをしておけば、残りはマシンに緩い注文を出し、何か面白い結果が出てくるのを見られるのだ。
1月4日に、「ハイプ・マシン」が2回目となる年間音楽ブログ・ツァイトガイスト(人気ランキング)を発表する。わたしはそれを見るのがとても楽しみだ。「2009年のベスト」の音楽ブログを総ざらいして、マシンに流し込み、その結果をはじき出すというわけだ。
昨年の音楽ツァイトガイストはすばらしい出来だったので、うちの家族では数週間のあいだ楽しみにそれを聴くことができたし、おかげで新しいアーティストやレコードを数ダース分も知ることができた。今年もやはり同じことが起きるだろうと確信している。
この年末の時期、わたしはいろいろな人のベストのリストを読んで回ることを楽しみにしているが、やはり全部を読むことは困難だ。マシンにはそれができるし、そこにこそ、もっとも大きな付加価値を加えることができるはずだ。だがそれにはまず人間が必要で、そこからがマシンの出番になる。