IBMがワイコンビネータ出身のクラウド・データベース・スタートアップ「コンポーズ」を買収

IBMは本日、コンポーズを買収したと発表した。スタートアップである同社はNoSQLデータベースの設備をクラウド・サーヴィスとして提供している。取引の詳細は公表されていない。
今回の買収に先立って、IBMは同様のデータベース・アズ・ア・サーヴィス(DBaaS)を強みとするスタートアップ「クラウダント」を1年半前に買収している。なお、クラウダントはオープンソースのCouchDBを基盤に構築されている。
それに対しコンポーズは、モンゴDB、レディス、エラスティックサーチ、リシンクDB、PostgrSQLをサポートする。顧客の自ら選んだクラウド、たとえばアマゾン・ウェブ・サーヴィシズ、デジタルオーシャン、IBMのソフトレイヤーなどにデータベースを移管することも可能だ。同社スポークスパーソンによると、IBMは今後もコンポーズの各種クラウド対応を打ち切りソフトレイヤーに一本化する計画はないという。
数か月前にあったセンチュリーリンクによるオーケストレート買収も、やはりクラウド上にホスティングするオープンソース・データベースが支持を集めていることを示している。データベースの設置と維持は多大な労力と熟達した技術が必要だが、クラウド事業者はすでに完備した幅広いサーヴィス群のなかでデータベースも顧客に効率的に提供できる。
IBMはクラウド・インフラストラクチャにおいては後追い組に入る。パブリック・クラウドを先導する立場にあるアマゾン・ウェブ・サーヴィシズはリレーショナル・データベース・サーヴィス、ダイナモDB、エラスティックキャッシュ(レディスもサポート)を完備している。グーグルはクラウド・ビッグテーブル、クラウド・データストア、クラウドSQLをサポートしている。マイクロソフトはアズールSQLデータベースのほか、ドキュメントDBもサポートする。
また、DBaaSを強みとするスタートアップにはインスタクラスター、Qボックス、レディス・ラブズなどがある。
コンポーズは2010年に創業し、カリフォルニア州サン・マテオを本拠とする。同社はモンゴHQから社名変更し、モンゴDBだけの対応から多様化を進めている。また、同社は2011年のワイコンビネータ主催の夏季育成プログラムから発展し、2012年には6百万ドルの資金調達ラウンドを発表した。
投資家にはデータ・コレクティヴ、ラーラー・ヒッポー・ヴェンチャーズ、SVエンジェル、ウェブ・インヴェストメント・ネットワークなどが挙げられる。
2013年にはハッカー攻撃の被害に遭い、顧客にパスワードの変更を要請していた。
IBMは買収を発表する声明文で、コンポーズの10万を超えるデータベースを利用する企業は数千社にのぼると述べている。続きを読む
(From the VentureBeat blog post. Thanks to Jordan Novet.)