インスタカートは店頭価格より高い場合の開示をはじめる

日用品デリヴァリー・サーヴィスのインスタカートが人気を増していくと、未解決の質問がひとつ浮かび上がってくる。同じ食品ならお店で買うよりインスタカートで買うほうが高いのだろうか?
そこでインスタカートはその回答を包み隠さず明かす用意があるようだ。同社は売っている商品がどこのお店でいくらで売っているかを明かし、もしインスタカートのほうが高いなら、何パーセント高いのかを表示するようになった。同社はまた、連携する一部の店舗、たとえばホール・フーズで、商品をインスタカートで売っている価格と同等に設定したり、インスタカートで売っているかを表示する予定だという。
買い物客は居住する都市に点在する日用品店からインスタカート経由で日用品の注文ができるようになる。たとえばマンハッタンでは、インスタカートの顧客はホールフーズ、コストコ、フェアウェイといった店舗から日用品などの注文を行なうことができる。注文から通常1時間以内での配達が可能だ。
なぜいま、そこまで包み隠さずに明かすのか? インスタカートはその成長とともにビジネス・モデルを転換し、お買い得品を多数売ることで売上高の増大を図るというモデルから、日用品店との協業により売上の一部をインスタカートが受け取るという新たなモデルへと徐々に移行してきた。これによって日用品店にもビジネス・モデルの創出機会となる。
一部の意見ではインスタカートが価格の開示に積極的になるのは、店舗との協業により値下げの機会が減った証だと喝破するかもしれない。おそらく、インスタカートはこれまで集客できずにいた買い物客を呼び込むためには、当初の価格戦略だけではなく価格一辺倒からの脱却を図る必要があると認識しているのだろう。
インスタカートは現在、20億ドル近い評価額となっており、アマゾン、グーグル、あるいはフレッシュ・ダイレクト、ピーポッドといった地方のデリヴァリー・サーヴィスとの競争に直面している。「インスタカートを使う理由のひとつは、たいていの商品はお店で買うのと同じ価格だからで、それに配達料を加えて払えば済むからです」とCEOアプールヴァ・メータはインタヴューで答えて語った。「弊社が現在取り組んでいる課題は、お客様はよそのお店ではどうだったかと気にしているので、どこで買おうかと自分で決められるような仕組みを提供することです」
メータはインスタカートの商品の大半は店舗と同等の価格に設定されているが、一部例外はあると述べた。たとえば、マンハッタンではインスタカートはコストコで売っている商品よりも最低15パーセント上乗せしている。サイト内にある価格開示からそれがわかる。これはすなわち、インスタカートはコストコとのあいだに手数料契約が成立していないことを示唆する。メータはこの仮説について、肯定も否定もしなかった。続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Jason Del Rey.)