DNA検査キット選びはどれが、あなた向き?

健康のことが気になる、自分の血はどこから来たの? 知りたいけど本当にそれでわかるのかな・・・。
いまいち体調がすぐれない、その理由もよくわからない。何か重病の兆しなのか、それとも遺伝から来る体質なのか。
気になり始めたら、自分の血筋を知る方法が、いまの時代はあるそうで。

最近ではDeNAという企業が、その名前のとおり(なのか)DNA検査のキットに力を注いでいるようです。もう買ってみた、試してみたら意外な結果が・・・という人も日本でチラホラいるようですが、米国ではかなり普及が進んでいるDNA検査キット。健康診断程度、とはいかないまでも、わりに気軽に試してみる環境が整っているようです。「DLSサーブ」というサイトがよくまとまっていたので、少し勉強してみた成果を共有します。

そもそも、何を検査するのか

染色体異常
母方遺伝
父方遺伝


この要素が関わってくるそうです。どれも聞いたような覚えはあるけれど、何かよくわからない・・・。
染色体の検査はまず、人間の基本となる部品を検査するという発想で、22対の染色体はその人の性別を確定させる機能がありません。遺伝子の特性を調べ、かかりやすい病気や、眼の色素といった種別を特定することができる検査。ここに何らかの異常がある場合、それを知ることで今後の健康管理にも役立つという検査のようです。

母方遺伝については、DNAの基本の要素で、母親から実子にバトンタッチされる遺伝。ここがブレることはほとんど起こらないので、わかりやすい属性かもしれません。

父方遺伝については、XとYで表される染色体の、Yの部分が関わっています。このYが父親から実子に引き継がれる特性を決定するわけで、ひとつ気をつける点があるとすれば、子が男性でない場合には、Yは直接検査に関わってきません。ということは、女性の場合、本人ではなく父親、もしくは男性のきょうだい、親族がもっている特性を調べることで、そこに潜在する要素を知るという手順になります。

では、どの検査キットを選ぶのが、あなた向きなのか?

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検査キット別の方向性

23andMe

この検査キットは、バランスのとれた、多くの方が利用できる、2-4週間で結果がわかるキットです。長所としては、健康スクリーニングが可能で、すでに米国政府のお墨付き(FDAという機関)。わかることは、遺伝によって惹き起こされやすい病気、健康上のリスク、現状の健康状態、家族に共通の特性などです。
米国では、ターゲット、アマゾン、それから23andMeのページからも注文ができ、79ドルから199ドル。

AncestryDNA

自分の血筋を知りたい、その結果どういった特性が自分にあるのか。比較的安価に、知りたいという方には向いているかもしれません。眼の色素や、内耳の構造など、その人らしさが現れる部分も、18の類型から知ることができ、会員でいれば検査結果は今後も見ることができます。19年5月現在で1500万人のデータが蓄積されているので、99ドルから119ドルという手ごろ感のある価格で使ってみたい人向き。結果待ちはやや長く、6-8週間。

tellmeGen

自分の健康は自分で守りたい、あらかじめかかりやすい病気や体質を把握しておきたい、という方のための検査キット。検査結果は55万を超える類似ケースとの比較によって、125種もの病気に対し、傾向がわかるようになっています。テルミージェンのサイトでは、検査に利用される技術や、研究所による保証の明細が公開されているので、情報の透明性を大事にする方向き。ただし、中東やアジア方面の血筋には十分なデータベースが確立されていないという短所があります。アマゾンでは139ドルという価格で割引セールも行なわれている。

MyHeritage

血筋や、親戚の正確な把握にまで関心がないという方向き。3-4週間という短めの結果待ち期間、75ドルという手ごろな価格も決め手。結果をオンラインで見るために月額会費を支払う必要もありません。追加で費用を払うことによって、家系図などの確認もできるようになります。ただし、ほかの検査キットにくらべてデータベースの規模が限られています。

National Geographic Geno 2.0

いわゆる家系図的なことを知るというよりも、ネアンデルタール人(我々の元祖ともいうべき種)にどれだけ共通点があるかといった観点から、検査結果を知りたい人向き。つまり、自分って、昔はどこにいたの? と素朴な疑問を解決したい人にはいいかもしれません。6-12週間待つことが気にならない、という人には99.99ドルという価格から見ても(ときどきアマゾンで59ドル(!)というセールも)リーズナブル。

Living DNA

検査結果は80以上の対象地域から祖先を特定し、遺伝子の類型では65万件を確保している。さらには、8万年もの祖先をさかのぼることが可能。親戚の発見についてもマッチングサービスを開始しています。無料サービスでは家系図を基本としていて、アンセストリーの1500万人のネットワークにはかなわないものの、定期的に新機能の展開や、対象地域の追加も行なっています。アマゾンのほか、リビングDNAのサイトでも99ドルで注文できる。

その他

FamilyTreeDNA
AfricanAncestry
Embark
Wisdom Panel 3.0

などがあります。これらの詳細については、DLSサーブのサイトでも見られるので、選べるなら選択肢が多いほうがいい、という方は英語ページの翻訳機能を使ってもいいかもしれません。

なお、このページは専門家ではない、一般人の要約を提供することを主な目的としています。すべての情報について、正確さを保証するものではないことをご理解下さいますよう、お願いします。