ボクシイの4つの目標

(This is a translated version of "A VC" blog post. Thanks to Fred Wilson.)
わたしたちのポートフォリオ会社ボクシイは今日第2ラウンドの資金調達をジェネラル・カタリストの主導によって実施したと発表した。前回ラウンドの資金はまだ銀行に半分残っており、それに新しい資本が600万ドル追加されるので、いまボクシイが行なえることはたくさんある。だがボクシイCEOアヴナー・ローネン今回の融資を発表するブログ投稿のなかで、ボクシイがいま行なっていること、今後注力していくことをリストとして4つにまとめている。

これからも前進していくために、わたしたちはつぎのことに注力する計画をしています。

  • プロダクトを改良する - わたしたちはベータ・リリース(今年秋までに)にむけて取り組んでいますが、それだけでなくベータ版のさらに先を見越して2010年のロードマップをつくります。そのアイディアは、ひとつにはユーザのフィードバックを原動力とした開発(こんどのベータ版の主要な部分はそこにあります)と、もうひとつにはボクシイ内部から生みだされるイノヴェーションとの両方をちょうどよく両立させるということです。
  • コンテントをさらに追加する - ボクシイは大手メディア企業だけでなく、独立コンテント企業にとってもすぐれたパートナーになることができると信じています。これからもさらなるTVショウ、ウェブ・ショウ、映画を、広告ベース、購読ベース、単品注文型サーヴィスによって提供していくことに取り組みます。
  • より多くのディヴェロッパを招致する - ボクシイにはアップ・ストアを設けていますが、もっとそこに手を入れてやる必要があるとわたしたちは認識しています。ディヴェロッパのためには、よりかんたんに開発でき、収益化しやすいアップスが必要であると認識しています。そして最後に、それでいて見逃せないことを挙げると、わたしたちは誰でもボクシイを幅広く活用できるようAPIをさらに拡大していきます。
  • ボクシイをいろいろなデヴァイスに提供する - ボクシイは現在、だいたいにおいてテックに関心の高いオーディエンスへサーヴィスを提供しています。その人たちは、コンピュータをTVと接続するくらいならかんたんにできるという人たちです。ボクシイをもっとメインストリームのコンシューマにとって扱いやすいものとするためには、TVやブルーレイ・プレーヤ、ゲーム機や据え置きボックスといったデヴァイスにも組み込めるようにすることが大事です。わたしたちはすでにデヴァイス・メーカと話しあいを設け、2010年までにはボクシイが多種多様のプラットフォームで機能するよう、調整を行なっています。

ボクシイがいま行なっていることが4つに絞りこまれていることをわたしは好ましく思う。ことによっては、3つか2つでもいいと思う。そしてアヴナーが、自分たちが何者であるかを、社内と社外の両方に対し明確でわかりやすい規定の仕方をしていることをわたしは好ましく思う。自分たちがなにに取り組んでいるのか、なにを優先しているのかを全員の人が認識すればするほど、よい結果を出すことができるだろう。

あなたの机から抜け出そう

(This is a translated version of "A VC" blog post. Thanks to Fred Wilson.)
よく言われている教訓として、管理職の人は机から抜け出して、オフィスを歩きまわりながらチームの仕事を観察し、それぞれの人に話しかけ、質問をし、そしてやる気を出させることが必要だと言われる。わたしは一緒に仕事をしているアントレプレナーや管理職の人には、絶え間なくそうするように勧めている。
だがVCの場合、「机から抜け出す」といっても何をすればいいのだろうか? わたしたちは同僚に囲まれた小さなオフィスで仕事をしていて、通常はポートフォリオ会社との連絡にはイーメールや電話(やツイッター)をつかっている。
昨日はわたしにとって、すばらしい日だった。わたしは1度ではなく2度にわたって、机から抜け出すことができたのだ。
その朝、わたしは地下鉄に飛び乗り、わたしたちのポートフォリオ会社のひとつへと向かった。かれらは新しく取り組んでいることをわたしに教えてくれた。わたしたちはいくつかの機能について、それをどのように改良していこうか、そしてかれらが採ろうとしているよさそうなデザインの候補について話し合った。1時間半ほどにわたってそのプロダクトについて深く突っ込んだ話をして、わたしはそれが気に入った。わたしがそうしているように、かれらにはこのようなミーティングはできるかぎりやってもらえたらと思う。
そしてその日の午後、わたしは同じ地下鉄に飛び乗り、同じ地区の街へと向かった(その衣料品街は急速にウェブ街へと変わりつつある)。そしてわたしが参画しているもうひとつの会社のチーム全員と話をした。わたしは、ヴェンチャ・ビジネスについて、投資している先について、なぜその会社に参画しようとしたのか、そしてかれら自身のビジネスについてはなにに期待したのかなど、チームに話を聞かせてくれと頼まれた。そこでわたしは25分にわたって、質問の時間を設けた。この質問応答は息つく暇もなく、興奮にあふれ、非常に刺激的なものだった。これもまた、わたしがそうしているように、かれらにはこのような話しあいをできるかぎりやってもらえたらと思う。
わたしは今週ほかにもうひとつの会社でも同じことをする予定であったが、実際は2週間延期になってしまった。わたしはこのような話しあいをまたできることを楽しみにしている。
このような短い時間の会合は、わたしが投資の仕事のなかでもとくに深く没頭してやっていることで、わたしの仕事のなかでも最良のものである。新しい人に会ったり、新しいアイディアを聞いたり、新しい投資に期待をしたりすることが大好きだ。そしてわたしは、わたしたちのポートフォリオ会社が新しいことを始動してビジネスを先へぐんぐん進めていくのを見るのが大好きだ。とくに、かれらが収益をあげるようになり、VCなどのキャピタル・マーケットの恩恵に依存しなくてもやっていけるようになる魔法の瞬間が大好きだ。だがヴェンチャ・キャピタル・ビジネスの最良の部分は、自分の机から抜け出してポートフォリオ会社へと首を突っ込みにいくことである。わたしはこれからももっとやっていきたいし、VCをやっている人は皆そうではないかと思う。

フェースブック検索=ソーシャル・ニューズ検索

(This is a translated version of "The Steve Rubel Lifestream" post. Thanks to Steve Rubel.)

今日わたしはようやく、フェースブック新しい検索機能を試してみることができた(フェースブックは段階を踏んだ出し方をしてきたのだ)。
公式FAQで一番目に出てくる質問が、このツールをニューズ発掘エンジンとして位置づけていることに、わたしは魅力を感じた。ジオタギング、アラーツ、改良されたコンテント発掘ツール(たとえばわたしの友達の友達のトレンドを表示してくれるもの)といった追加機能によって、かれらはなにか巨大なものを作り上げようと進んでいるのだとわたしは考えた。フレンドフィードのチームが、必ずやその役に立ってくれることだろう。
ひとつじっくり考えておきたい質問がある。これはジャーナリズムやPRへどのような意味を成すだろうか? いろいろなことだ。フェースブック検索が成長し、そしてそう、そこから多くを学べば、いまよりずっと強力なものになるだろう。時間を経て、それはわたしたちの習慣を変化させ、わたしたちの多くがいま行なっていること--情報源をあちこち探し求めること--を加速させるかもしれない。考えておきたいことはたくさんある。
これはね、とてもとても大きな変化だよ。しかもこれはまだはじまったばかりだ。フェースブック・コネクトをつかっている数多くのサイトを思い浮かべてみよう。検索エンジンのクロールがこれらの衛星にも及ぶとすれば、まったく新しい検索の時代が見えてくるだろう。グーグルはきっと脅威を感じることだろう。フェースブックは、コミュニティを成長させつづけることができれば、そこに大きな立ち位置を獲得するかもしれない。

フリーエコノミクスへの真剣な見解

(This is a translated version of "A VC" blog post. Thanks to Fred Wilson.)
わたしのパートナーであるブラッド・バーナムは、わたしと一緒にユニオン・スクエア・ヴェンチャーズをはじめた相手だが、かれはわたしの知っている人たちがそうしているのと同じくらい、投資すべき市場についてはたくさんのことを考えている。だがかれは自分の考えをわたしがそうしているほどに頻繁には人前に出そうとはしない。だがかれがそうするときは、いつもそれは読みごたえのあるものである。
昨日ブラッドはフリーエコノミクスにまつわる議論について、自分の考えを投稿した。これはしばらくまえにクリス・アンダーソンとマルコム・グラッドウェルが議論していた。ブラッドは、ふたりとも間違っていると考えている。
ブラッドの投稿から3箇所引用をするのであなたがたの役に立てばと思う。できれば全部を通して読んでもらえるとうれしい。ここに載せたのはすぐに読めるためのものだ。数分あれば読めるだろう。
3箇所の引用は、以下のとおりだ。楽しんで読んでほしい。

つきつめれば、この討論は富める者の経済の議論のようになっていたり、先を急ぎ過ぎたサイバー・ユートピアンの考えを、シニカルでかついくぶん利己的な現状のメディア・ビジネス・モデルの擁護者にぶつけるだけで終わってしまっている。
「フリー」とは価格戦略でもなく、マーケティング戦略でもなく、コストが下振れしやすい市場が必然的に行き着く先でもない。これは明らかに、本質的な経済のシフトが進んでいることの現れである。そこではどのような資源が希少になっているのか、将来にわたってそれがどのように配分されるかのフレームワークについて、同意できるようにならないかぎり、わたしたちはただ過去について言い合ったり、間違ったことについて言い合っているだけで終わってしまうだろう。
サーヴィスはフリーで提供されるのではまったくない。そこにある素材(データ、コンテント、メタ・データ、そしてデータが目に見えるよう変換される場としてのネットワーク)のユーザ同士、クリエータ同士では価値の交換が行なわれている。この価値の交換はいまでも、経済の基本的な法則によって執り行われている。だがその通貨はドルではない。アテンションが通貨なのだ。

追記: ニックから、わたしが大事な段落を見落としていると指摘があったので、4箇所目を追加しよう。

これらのサーヴィスでは、実際どのような技術が機能するのかフィルターにかけるまでにかなりの量のユーザ数が必要なのだが、なぜこれらのサーヴィスは生産者に対価を払わないのかと安易に問いかけてしまう人もいるかもしれない。といって、生産者に課金すべきかと討論することもあまり意味がない。

フレンドフィードはフェースブック・ラブズになったらいい

(This is a translated version of "The Steve Rubel Lifestream" post. Thanks to Steve Rubel.)
今日の大きなニューズは、フェースブックがフレンドフィードを買収したことだ。この件については、いろいろな読み取り方がある。そして多くの人はおそらくツイッターに与える影響をあれこれ語り合うことだろう。だがもっと大事な話があるのを忘れちゃいけない。このニューズについてわたしの率直な感想を述べよう。
フェースブックがこんど買ったのは...

ではフレンドフィードにとっては何だろう? わたしが望むのは、かれらが「フェースブック・ラブズ」(フェースブックの実験室)を成すことだ。かれらにはぜひとも、これからも無料の抜きん出たサイトであってほしいし、アーリイ・アダプターの人たちのために新しいイノヴェーションをどんどん開拓していってほしいと思う。そしていちばん見込みのあるものを、母艦へと持ち帰るのだ。
それと、わたしにはこれからさらに深く考えていきたい題目がある。それはこういうことだ。「ライフストリーミングはメインストリームへとなる!」

アップル: 虫の気が変わりつつある?

(This is a translated version of "John Battelle's Searchblog" blog post. Thanks to John Battelle.)
今年の前半、というのは正確には1月1日だが、今年の予測のなかで、わたしたちの同士であるアップルについてわたしはこのようなことを書いた。

アップルは、目下好調だがそれが一気に逆転するだろう。わたしはいくつかの理由でこのことが起きるだろうと感じている...だがその主な理由は、ブランドに関わるものだと思う--というのは、ほかの人よりもクールであるというブランドでは、ある時点を境目にしてスケール拡大が利かなくなってしまうからだ。アップルはその時点に達してしまっていると感じる。

しかるに、「ブランド」は非常に扱いの難しいコンセプトである。ブランドは人がどう言うかによって生死が分かれてしまうものだ。そして最近ではデジタル世界にいる「ブランド・インフルエンサー」とでも言うべき人たちによって交わされている話題が、どうもネガティヴな方へと転じてしまっている。
アップルは(よりによって)グーグルのアイフォン・アプリケーションを手際の悪いことに排除してしまったことで、監視委員とFCCの両者から顰蹙を買ってしまうだけでなく、顧客との対話を相変わらず拒絶するところがある(ツイッターのアカウントもないし、産業のコンファレンスへの参加もない)のでだんだんと頼りなくなってきている。わたしが日常的に話を交わしている人のあいだでも、数人というのでなくて、アップルのブランドはこのように受け止められている。「商品はすぐれているが、この会社はあなたをひとりの人間として見ることが欠けている。そして率直にいって、あなたよりも利口そうで、見た目もよく、そしてあなたの手の届かないところに座っている」
これは虫のせいと言うのかもしれないが、わたしのお気に入りコンピュータ・メーカはだんだんと、手の届かない存在に感じられつつある。わたしは少数派だろうか?

とにかくやってみよう

(This is a translated version of "A VC" blog post. Thanks to Fred Wilson.)
今朝ツイッターの返信を見ていたら、farhanlajiからこのようなものがきていた。

@chr1sa @umairh そして@fredwilsonはニューズ・コーポレーションルパート・マードックがコンテントに課金しようとしている件をどう思っているのだろう

ファーランが言っているのは、ルパート・マードックがニューズ・コープの決算会見で述べた、ニューズ・コープの保有するニューズ・サイトにおけるすべての資産を有料に変えるという話のことである。
わたしはニューズ・コープがこれをやってくれるならぜひ見たい。多くの人がニューズにお金を払うのかどうか、口で言うだけならいくらでもできる。言うは易く、行なうは難しである。だからこの実験を始めてくれるのならぜひ見たい。
わたしはフリーミアム・モデルがいちばんであると、いままで言ってきた。その「ヴィジターによって駆動する」やり方は、ニューズ・サイトのコンテントを見るために登録したり支払ったりする必要はないというものである。3度か4度目には登録する人がいれば、コンテントに価値があったことが明かされるだろう。もっとも頻繁に来るヴィジター/ユーザは支払いをしてくれるだろう。このモデルについては最近ブログに書いた
だがオンライン・コンテントの収益モデルについては、いくつもの方法がある。広告はたしかに、そのうちのひとつである。一部の人にとっては、広告があれば十分だろう。わたしの身近でも、「広告だけ」のモデルでカネを稼いでいるニッチなオンライン商品をいくつか知っている。一部の人にとってはそれでうまくいくのだ。それ以外の人にとっては、購読モデルが広告による収益への上乗せとして採用されている。というわけで、わたしはニューズ・コープがどのようなやり方で出てくるのかぜひ見たい。
ニューズ・コープはすでに、ウォール・ストリート・ジャーナルで購読モデルを確立している。このWSJのモデルはFTのモデルほどは好きになれない。その理由については上にリンクをした投稿のなかでも説明した。だがニューズ・コープはそのほかのニューズ・サイトにわたって適用できそうなモデルをもっている。「ザ・サン」「ザ・タイムズ」「ザ・ポスト」のような新聞がWSJのモデルでうまくやっていけるのかはわたしにははっきりわからない。そしてそれはわたしの関心のあるところでもある。ニューズ・コープはこれらの資産について、どのような手を打ってくるだろうか? うまくいくのだろうか?
とにかくやってみよう。有料ニューズの実験をはじめてみよう。